2019年9月12日 / 最終更新日時 : 2019年9月12日 straycat 第9回Webアンソロ「imagine」 残響 人をも避ける空気から逃れるように入ったのは小さな喫茶店だった。薄暗く狭い階段を下りた先にある頑丈な木製のドア。 重々しいそれを開けると、対照的に軽やかなベルの音が鳴った。「いらっしゃいませ!」 ベルの音に似た軽やかな女 […]
2019年2月14日 / 最終更新日時 : 2019年2月13日 straycat 第8回Webアンソロ「花」 ~~じゃない まず、嫌でも目に飛び込んでくる鮮やかな緑色。朝露を飲み込み透明感をまとったような緑が見渡す限り広がっている。 しかし緑一色かと思えば、そうでもない。 見れば緑色の中にポツンポツンと白い色も見えていた。丸く毬のような […]
2018年5月18日 / 最終更新日時 : 2018年5月17日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 彼女はクジラにはなれない 海に潜るクジラを見たことがあるだろうか。 直接でも映像でも絵画でもなんでもいい、潜るクジラをイメージしてほしいのだ。水面に頭だけ出して呼吸をして、そして潜る。島にも見える大きな生き物が転じ動くその姿に感嘆を覚えた人も […]
2017年9月7日 / 最終更新日時 : 2017年9月6日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 灯の海に、幕が下りる 日が暮れれば村には夜空の幕が下りるのだが、その日は違った。 目抜き通りには多くの屋台がところせましと軒を連ね、何人かが通りすがりに立ち止まる。熱気に押され何人かは食べ物や雑貨を購入していた。そして人々は思い思いに着飾 […]
2017年2月3日 / 最終更新日時 : 2017年2月2日 straycat 第5回Webアンソロ「嘘」 透けた手紙 あるところに不思議な郵便屋さんがありました。その郵便屋さんは皆が寝静まった暗い時間に明かりを灯します。郵便屋さんの名前は誰も知りません。なのでその郵便屋と中で働いている人は皆から『郵便屋さん』と呼ばれていました。 名 […]
2016年11月14日 / 最終更新日時 : 2020年8月21日 Review Review ええじいあい ああ、これは夢だ。 ―――――――――― 過去作6作+書き下ろし1作の再録短編集です。 今まで取り扱った作品を一つにまとめてみました。 散歩中に何かを見つけたり、終わる前にあれこれ考えていたり、あのときの夢の続きを見てい […]