異世界のアーサー王物語1


竜を殺す。
竜の住まう迷宮に挑む冒険者達の物語。
否、幼女アルトリウスの英雄譚。
炎を操り、規格外の身体能力を持つアルトリウスと、異世界から呪術師に憑依した男。
剣を鍛え、迷宮にいざ進まん!
注意事項1点、呪術師に憑依したのは卑怯なオタクである。
辛口ファンタジー開幕!
(「小説家になろう」にて連載中。関西コミティア44にて頒布)

面ッ白かったです!

主人公が潔いばかりにド外道で、大変良かったです。
なんと申しますか、仲間→尊重する。味方になる予定アリ→尊重する。礼儀ある敵→尊重する。壊滅させる敵→騙し討ちだろうが嘲笑だろうが一向に構わん! 勝てば良かろうなのだアアアア!
潔い……!
どんな苦境であろうと浪漫で片付け、脳内ただのオタクなのに喋ると呪術師っぽい主人公。
ネットで煽るために外国語を覚えるという、無駄なひたむきさを持つ主人公。
何が起ころうと、ケロっとしている主人公。
イイですね! 新境地に至っています!

ゲームっぽい(すみません)世界観の小説って苦手なのですが、異世界のアーサー王物語(1)はサクサク読む事ができました。

作中に登場する機械弓というものがよくわからなかったので(無知で申し訳ありません)調べてみたら、クロスボウのようなものだったのですね。非力な美少女騎士ベディヴィアが扱える弓、納得です。

戦闘描写は、アーサーの強さに圧倒されるように読む事ができました。「これなら負ける事はあるまい」と云った安心感すら感じながら読める強さの描写でした。

個人的に印象に残ったのが、言語崩壊。そして、言語崩壊を起こしても、竜に立ち向かう老兵。
浪漫ですよね! 

とにかく、ガンガン読める「21世紀初頭の青年の浪曼」、是非ご覧くださいませ。


発行:百塔議会
判型:文庫(A6) 218P
頒布価格:確認中
サイト:在野在処
レビュワー:浮草堂美奈