色のある島


炎を吹いてみたり、空を飛びまわったり、いろんな生き物に変身したり。
いろんな場所で、いろんな生き方をするドラゴンたち、それからニンゲンも出てくるお話です。
(サイトより転載)

体の色と同じ名前が付いたドラゴンたちを主人公に、友情や家族の絆や、人とドラゴンの繋がりが語られる短編集です。
短編集といってもすべて関連のあるお話で、長編としても読むことができます。
そして、その長編の気になる結末は……。
最後の最後でそれをたしかめたとき、目元にじんわりと涙が滲みます。

ドラゴンたちにそれぞれ色があるように、ドラゴンたちの性格もさまざまです。
情の深いアカ、直情径行のアオ、弟想いのクロ、甘えん坊だけどちょっとニヒルになっちゃったシロ。
彼らは自分が置かれた状況についてぐるぐると考えたり、体当たりしてみたり、いろいろ混乱したりしながら、
やがて彼らなりの答えを導き出します。
炎を吐けたり、空を飛べたり、いろんな生き物に変身したりできる強いドラゴンですが、
その思考の過程は、そっくりそのまま人間と同じ。
この本を読み終えたとき、ドラゴンを身近な、そしてとても愛おしい生き物として感じられることでしょう。
そして彼らとともに、色とりどりの正しい世界へ、身を羽ばたかせたくなるはずです。

ドラゴン好きにもこれからドラゴンを好きになりたい人にも、自信を持ってお薦めできる1冊です。


発行:りとのとり
判型:B6 160P 
頒布価格:500円
サイト:りとのとり

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