星の詩

星になる君へ、
君の特別な時間は
きっと誰よりも温かい色をしているのだろう
冷え切った時間に触れ続けた指先に寂しさが灯るなら
君の星はとても優しくて温かい

私の望みは美しい満天ではなく
夜空を見上げながら君の星について語る姿なのだから
どうか 私に騙らせてはくれないだろうか

『特別な時間は星になる
 夢中で駆け抜けた日々は
 神様が手のひらに大事に集めてくださって
 夜を照らす星にしてくれる―』

あの星は 特別が嬉しかった無邪気な頃
あの星は きょうだいにロウソクの火を譲った誕生日
あの星は 甘い紅茶と銀色の紅茶缶をもらったなんでもない日
あの星は 私の生を支え続けてくれた白い愛犬との思い出
あの星は 多くの祝福を伝え合った友人との時間

私の特別な時間は、いまは夜に煌めいている
夜空に浮かぶあの星々は 全てが私たちの特別な時間

なのに、この世界は冷え切ってしまったから
ある星は白々しく色を失って
ある星は凍えそうにチカチカと力を失っていく
そんな星ばかりが浮かんでいる

特別な思い出が歪んでいく
流転の流れに逆らえず悲嘆は続く
加速する時間に価値などなく
心の落とし穴に全てを投げ入れて
人々は終わりを目指す

大切な記憶と特別な思い出
そのまま墜落させてしまったら
地上は燃えるだろうか
冷たく凍えてしまうだろうか

星になる君へ、
さあ、私に騙り聞かせてくれないか
君の星の煌きは 今まさに好調で
『燃え尽きて墜落するまでが人生だ』と言わんばかりに煌めている

さあ、私をだまして
あの星々を橙色に光らせてはくれないだろうか?

サークル情報

サークル名:メンタルティック→ワルツ★
執筆者名:月ノ音姫瑠
URL(Twitter):@onisumire

一言アピール
元イーハトーブの国の人。抒情詩を綴るロリィタ詩人でございます。
いつか通り過ぎたあなたの風景・記憶・思い出を、あなたの元へ届けます。
メンタルティックに甘く暗く、
夢のように言葉を奏でましょう。
新刊詩集「青の記録」大変お待たせいたしました。
あなたの目に映るのが、最後は幸福でありますように。

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