解放弦―The released string(3)
歌姫と侍女。遠い昔に交わした約束。
息が詰まるようなガールズラブ・ノベル。
(ヒロイン☆ふぇすた!サイトより)
※過去の感想はこちら
解放弦―The released string(1)
解放弦―The released string/愛の夢(2)
天性の歌姫・レシカと、かつて彼女と歌姫の座を競った侍女・ジラ。ジラの視点から描かれる物語は、レシカへの清濁織り交ざる激情に満ちていて、なのにひたすら美しいです。
圧倒的に流麗な文章表現、それが決して浮世離れしておらず。ジラの内に秘めたレシカへの凄まじい想いをありありと映し出しているのがただすごいの一言です。歌姫がコンセプトの物語ということで、歌唱表現も半端ない。舞台である閉鎖都市・アンジェリカで、賞賛される“天使”と忘却された“人魚”を顕した歌詞もピタリとマッチしています。だけど賛美されるものへのシニカルな視点も覗き、地に足がついた気持ちにさせてくれます。
本当にヤンデレてるのは実はレシカ嬢ではないかしら…とニヤニヤしつつ、丁度いいところで区切られるので続きが楽しみです。今作で描かれた少女の美しさが、女性になったときどのように変容するのか…三部作にて完結ということで、読むのが今から待ち遠しいです。
発行:冬青
判型:A5 78P
頒布価格:800円
サイト:siren to noise
レビュワー:世津路 章
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