ワスレナウタ
かつて歌姫の座を競った少女ふたり。
選ばれたのは『天使の声』を持つレシカ。
ジラはレシカの侍女となり、十年の時を過ごす。
抱えた想いは秘め続けるつもりだったが、
レシカの婚約を機に、ふたりの関係に変化が訪れる。
(ワスレナウタ- 特設サイトより)
※過去の感想はこちら
解放弦―The released string(1)
解放弦―The released string/愛の夢(2)
解放弦―The released string(3)
解放弦―The released string(4)
歌姫たちの物語、三部作のラストを飾る作品です。
表現すること、目指すこと、生きていくこと。誰の胸にもチクリと突き刺さるテーマかもしれません。
「終わり」に向かい移り変わっていく主人公ジラの心境には身につまされるものがあります。
痛いほど「欲しいもの」に手を伸ばそうとしていたレシカ。
遠回りをしたジラ。
人は決して同じ世界を見ているわけではない、ということをしみじみと感じさせます。
「虚構」と「真実」とはとても曖昧なものなのかもしれません。全てはそのあわいにあるのかも、と。
そうなだけに、ラスト一文の余韻がとても印象的でした。
発行:冬青
判型:A5 132P
頒布価格:1000円
サイト:siren to noise
レビュワー:藍間真珠