テキレボ羅針盤マップラリー
テキレボは情報の海!
たくさんあるマップ企画に、どれを見たらいいかわかんないよー! なんて思っていませんか?
鳥がいる作品を集めた「鳥散歩」、個人事業主系青年のお話「青色申告マップ」、SF風味な作品を集めた「ゆるっとSF」、二次創作なら「二次創作ノベルMAP」、横長の本が欲しければ「横のつながり」、宇宙へのロマンを込めた「宇宙遊泳MAP」、内容的に連続した3冊以上で構成される作品を集める「長編上等」、東北を舞台にした作品なら「東北においでよMAP」、現代舞台のファンタジー「現代ファンタジーマップ」、異装作品を集めた「女装男子&男装女子の集い」、銃と魔法の「銃魔法FT」などなど……。
うまく使えば、気になるテーマの本を効率良く集められて便利なマップ企画だけど、そもそもマップの種類が多くて全部を把握できない! どこでマップがもらえるかわかんない!
圧倒的な情報の海に溺れそうになっているあなたを救いたい! それが、「テキレボ羅針盤マップラリー」です!
まずは本部で、ラリー台紙をお渡しします。このラリー台紙を持って、マップ企画さんの本部に行き、マップと一緒にスタンプを押してもらってください。スタンプの数に応じて豪華? 景品と交換できます!
「というのが、このテキレボ羅針盤マップラリーになります」
と、サークル名「余生は黄緑色 縮めてヨキ」の小高(おだか)まあねは微笑んだ。
「へー、これがあれば、テキレボのマップ企画を全部見逃さずに手にできるってことですね」
「それだけじゃないんです。このラリー、まわる順番が決まってるんです。ちょっとめんどくさいんですけど」
と苦笑。
「でも、羅針盤ですから。ちゃんと航海路は守ってもらわないと」
「この順番、なんか意味があるんですか?」
「この順番どおりにまわると、テキレボの全てのブースの前を、それぞれ二回以上通ることができるんです」
「へー」
「ちょっとめんどくさいけど、下調べ何もしてないからちょうどいいかもね」
「ねー」
二人組の一般参加の女性が楽しそうに言った。
「Twitterの宣伝合戦とか、テキレボは情報が海のようになってますからね。その海を渡りきるお手伝いをしたいなと思ったんです」
「いいですねー」
「どうせ時間はたっぷりあるし、これで回ってみる?」
「そうだねー」
女性二人は、それぞれラリー台紙を手に取った。
「それでは良い航海を」
「はーい」
小高まあねの言葉に、にこやかに返事をして、女性たちは並ぶブースの中に消えていった。
それを見送り、椅子に座ると、小高まあねは邪悪な笑みが浮かぶ口元を片手で隠した。
順調順調。手間が多いから、若干嫌がられがちではあるが、さきほどからある程度の人数にはラリーを押し付けることができている。
なぁにが、テキレボは情報の海だ。渡りきる羅針盤だ。そんなものこじつけに過ぎない。
順番を決めて会場内を歩かせるのは、全てのブースを見させたいからなんていう理由ではない。この順路に沿って歩くことで、魔法陣を描くことができるのだ。歩くことで描かれた魔法陣は、歩いた人に眠る魔力を吸収する。現代日本人に眠っている魔力など微々たるものだが、数が集まれば効力を発生するに至るだろう。
ラリー参加者が全員が全員、順路通り最後まで歩くとは思っていない。しかし、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる。繰り返していれば、今日中にきちんとした魔法陣は完成する算段だ。
魔法陣が完成した瞬間、小高まあねの悲願は達成されるのだ!
「あ、お兄さん、お目当のサークルさんは特にない感じですかー? よかったら、ラリーやってきません?」
椅子から立ち上がると、きょろきょろしている男性にラリー台紙を差し出した。
「あああああ、もう浅草駅めんどくさいっ」
浅草駅の階段をどだどだと駆け上がり、台東館に向かって走りながら、サークル名「人生は緑色 縮めてジミ」の小高(こたか)まあなはボヤいた。
設営から参加するつもりで早く起きたにもかかわらず、小高まあねの陰謀により廻り道をさせられ、十二時近くになった今、ようやく浅草駅についたのだ。
「早く行かないと、魔法陣が完成しちゃう」
「でもさー、魔法陣が完成したところで起きるのは、各サークルの全ての本に何らかの形で鳥が出てくる、だろ? まあな的にもそれって嬉しいんじゃない?」
と、小高まあなの肩にとまった鳥のぬいぐるみが言う。特徴的な冠羽と、頬のチーク。オカメインコのようなビジュアルをしているくせに、なぜかボディが緑色だ。そんなオカメインコはいない。
「自発的に鳥を出してもらわないと、意味がないでしょ!」
と、鳥散歩主催でもある小高まあなは言い返した。ちなみに今回は、青色申告マップの主催も兼任? している。
「それは、正義じゃない」
きっぱりと前を見据えて言う。
「そういうものかねー」
肩の鳥はつぶやき、
「っていうかさ、もうブライ兄さんと同い年なのに、あとビジュアル的にもイケてないのに、アンソロ原稿で自分のこと正義の魔女っ子みたいな扱いで書くの、痛すぎじゃない?」
「執筆時はまだ同い年じゃありませんっ!!」
「そこかよ!」
でかい荷物(備品の棚が入っている)を邪魔そうに担ぎ直しながら、ぜーぜー息を切らせて走る。
「なにはっ、ともあれっ、止めなくっちゃっ」
台東館の姿が、見えてきた。
果たしてジミの小高まあなは、ヨキの小高まあねの野望を食い止めることができるのか?!
その答えは、7月16日、第七回Text~Revolutionsの中で明らかにな……らない!!
*注意*
この物語はフィクションです。実際のテキレボとは何の関係もありません。
人生は緑色の小高まあなは魔法少女ではありません。肩に鳥のぬいぐるみを当日も多分つけていますが、やつはしゃべりません。喋るモモイロインコが相棒の魔法少女ものは頒布物の中にいます!
作品中にでてくるマップ企画は、テキレボ7内で実際に行われるものです。情報は執筆時のものです。増減している可能性があります。っていうか絶対増えてます。詳しい参加要項なども含め、適宜ご自身で最新情報をご確認ください。
テキレボ羅針盤マップラリーなどというものは、執筆時点ではありません。ですが、やろうかな! という人を止めはしません。むしろやって。だが、魔法陣はノーサンキューだ。
サークル名:人生は緑色(URL)
執筆者名:小高まあな一言アピール
鳥と怪異と特撮ヒーローが好きな一人ヴィレヴァンを目指している、鳥が出てくれれば何でもオッケーのマップ企画・鳥散歩の人。今回は個人事業主系青年の話を集めた、青色申告マップもやります。それにあわせて、個人事業主系青年の話を2種類用意する予定。魔女っ子弁護士の最終巻もきっとあるはず。