海老で鯛を釣る
海老で鯛を釣る、ということばがあります。よくわかりませんがなんだかめでたいような気がします。とりあえず海老を持って歩きまわるへにゃらぽっちぽー兄さんです。うろうろ。
あちらから歩いてくるひとがいます。さかなの方です。「へにゃらぽっちぽー!」とあいさつをします。
「こんにちは! 私は鯛です」
奇遇にもこのひとは鯛さんのようです。「ぽっち、ぽっち、ぽっちぽ」と、鯛さんにお願いをします。せっかくなので「海老で鯛を釣る」をやっていただけないでしょうか。
「海老ですこんにちは。よろしくお願いします」
「鯛です。こちらこそよろしくお願いします」
「では始めましょうか」
「そうですね」
「海老で鯛を釣る!」
「海老で鯛を釣る!」
海老さんと鯛さんが叫ぶと、海老で鯛を釣るのはじまりです。
「海老で!」
海老さんがぴよーんと空高く跳びあがりました。
「鯛を釣る!」
鯛さんはお皿の上に背すじを伸ばして横たわります。
「海老で!」
「鯛を釣る!」
海老さんが横たわった鯛さんの上に、しゅたっ、と着地しました。すっ、とまっすぐに横たわった鯛さんと、ぷりっ、と身体を曲げてポーズをとる海老さんとの対比が、海老で鯛を釣るの見どころです。
「海老で鯛を釣る!」
「海老で鯛を釣る!」
りっぱな海老で鯛を釣るが完成しました。さすがです。へにゃらぽっちぽー兄さんは、「ぽー! ぽぽぽー! へにゃらぽっちぽー!」と感激しております。
ところで、海老で鯛を釣る、というのはどんな意味のことばなのでしょうか。
「よくわかりませんなあ。鯛さんはご存知ですか」
「私もよくわかりません」
おふたりもよくわからないようです。
海老さんと鯛さんとへにゃらぽっちぽー兄さんは防波堤にやってきました。「海老で」と「鯛を」は既にいらっしゃいますので、足りないのは「釣る」です。横一列に並んで釣り糸を垂らします。ぼんやりと釣りをしながら、「海老で鯛を釣る」というのはなんなのだろう、とそれぞれ考える三人です。
サークル名:へにゃらぽっちぽー(URL)
執筆者名:へにゃらぽっちぽー一言アピール
ぽぽぽー!
へにゃらぽっちぽー兄さんがへなへなとふらふらとすごしている様子を、短編集「ぽ」「ぽぽ」としてまとめております。よかったらほかのお話も読んでみてくださいな。
へにゃら、へにゃら、へにゃらぽっちぽー!