我海想わざれど、海無き事なし。
「深山の 巨木倒れる 音ありや 波立つ潮 人の知らずも」
-人里離れた山奥で、倒れる木の音がしたかどうかは、誰も知りません。けれど、人が聞かなくても山奥で、波立つ大海で、その音はしたのです。
「時は夏 自分の足が 恨めしく 走り出したい 海へ行ければ」
-私は病気で足腰が悪いのですが、時折海辺に住んでいたことを思い出します。そんな時、海に行きたいという感情にさいなまれては、自分の不自由さに暗澹とした思いがするのです。
「星の海 空いっぱいに 広がって 花火煌めき 君の手にぎる」
-ちょっと甘い感じに詠んでいますが、個人的には緊張すると手汗すごいんで、あまり手をつないだことがない思い出(笑)。
「折々の 海を眺めて ほろ苦く 思い出すのは あの
-海に紐付けられる人って、良いですよね。甘酸っぱい感じがして。まあ私にそんな人はいないんですが。
「紅茶飲み 海に思いを 馳せる夜 詠む
-最後の短歌は、今の私を詠みました。海という素材がうまく咀嚼できているかどうかはわからないですが、何かが読んだあなたに伝われば、これにまさる喜びはないです。読んでくださり、ありがとうございました。
サークル名:万里波濤(URL)
執筆者名:ばんりたかひろ一言アピール
短歌メインでやっていますが、実は小説も書いているのです。今回は短歌で参加します。海に思いを馳せる短歌 を詠めたならいいなあ。