2020年12月22日 / 最終更新日時 : 2020年12月21日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 隠れ姫の恐怖症 「お誕生日プレゼントです」 そう言って渡されたものを受け取って、少女――メディアは困惑を隠しきれなかった。 プレゼントらしく丁寧な包装も施されず、しかも蓋を開けて中身を見せた状態で渡された文箱。そこに、水色の同じ紙で統一 […]
2019年1月16日 / 最終更新日時 : 2019年1月15日 straycat 第8回Webアンソロ「花」 花になれない私のスープ わたしの知っているそのひとは、花のような女のひと。 転職をした最初の日に上司が、年の近い同性の先輩だから頼りにするようにと、わたしに引き会わせたのが、彼女だった。 少し低い声でわたしに語りかけるそのひとと、親しくな […]
2018年5月28日 / 最終更新日時 : 2018年5月26日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 夜の海 夜が水嵩を増していく。足先をちゃぷちゃぷと舐めていた汀は、やがてくるぶしを包み込んで、ゆるゆると甲を撫でた。わたしは恐怖を覚えて逃げようとしたけれど、夜は足首を鎖す枷のようにわたしの足を絡め取り、掬った。夜は深度を増し […]
2017年2月11日 / 最終更新日時 : 2017年2月10日 straycat 第5回Webアンソロ「嘘」 永久の夢を夢見て つらいことばかりの人生でした。生きていることに常に後ろめたい気持ちでいるような、この世界に自分一人分の居場所を取っていることにさえ申し訳なく感じるような、そんな思いを抱きながら生きてきました。 命は等しく生きるために […]
2016年9月10日 / 最終更新日時 : 2016年9月9日 straycat 第4回Webアンソロ「和」 姫たち(『創月紀 ~ツクヨミ異聞~』より) 薄い産毛だけをまとった、小さな人の原型が、白い衣きぬに包まれて眠っている。「愛らしい」と褒めそやされるそれが、果たして本当に可愛く、いとおしいものなのか、子供のいない立花姫には判別ができない。けれど、そんな赤子に向けら […]
2016年2月25日 / 最終更新日時 : 2016年2月25日 straycat テキレボWebアンソロ 流星猫と狩人 両手で構えた猟銃の重みが、肩と腕を圧迫する。防寒着の隙間から入り込む夜風が、滲み出る汗を冷やした。 頭上には満天の星空が広がり、暗闇ばかりの地上にわずかばかりの光を注いでいる。 冬の平原。少年は仲間たちと共に、ここ […]