2019年7月31日 / 最終更新日時 : 2019年7月30日 straycat 第9回Webアンソロ「imagine」 帯を結ぶ 緑の中に白と赤が動いている。 そうだ、私も数年前はこの中にいた。「ロロ様、お帰りなさい」 その声に釣られて、あちこちの草陰から少女達が顔を出した。「ねぇ皆、こんなに!」 一番初めに私を見つけた子が先導するように声を上げ […]
2019年7月29日 / 最終更新日時 : 2019年7月29日 straycat 第9回Webアンソロ「imagine」 枕を編みにいく 先輩が教えてくれた店は配給所の近くの雑居ビルの地下にあった。 1回の料金は週末のデートを我慢するくらいのお手頃価格だ。 まったく最近はやばい雨ばかり降る。 僕は重い合羽を脱いで店へ入った。 子供騙しのネオンの中現れた冴 […]
2019年1月31日 / 最終更新日時 : 2019年1月30日 straycat 第8回Webアンソロ「花」 in time of daffodils 神を知らずに生きてきた。 良い行いだとか、悪い行いだとか考えたことがなかった。 それでも独自のルールに基づく、やっていいこととやってはいけないことの区別は早いうちにできていた。 山間に不自然に広がった縦長の町、ロ […]
2019年1月23日 / 最終更新日時 : 2019年1月23日 straycat 第8回Webアンソロ「花」 コーヒーとまんじゅう 花を贈ろうと思った。 人はなぜ花を贈るのだろう。 美しく命の短いものを贈るのがはたして最上なのだろうか。 例えば美しく希少価値のもの、ダイヤの指輪だとか、予約の取れないレストランやオーダーメイドの歌なんかもその希 […]
2018年4月28日 / 最終更新日時 : 2018年4月27日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 海を飛ぶ 決まった毎日の中に気づくとぽっかりと穴が開いている。時々目印を無視してその穴に飛び込んでしまう。僕は昔からそういう性質たちだったのだと思う。 僕はコタツの上にあったいつものカップ麺を食べた。それから玄関まで行って、も […]