2020年12月18日 / 最終更新日時 : 2020年12月17日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 日記帳 この街で暮らして、何十年。 きみと一緒に住みたくて、ぼくはきみの猫になった。 たとえ呼ぶ名がかわっても、ぼくはかわらず幸せだった。 きみと一緒に外が見たくて、今度はきみの犬になった。 けれどもきみは、海を越え、とおく […]
2020年12月17日 / 最終更新日時 : 2020年12月16日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 猫 ニャーン ベッドの下で私を呼ぶ声がする。「なぁに? 九郎さん」 布団から頭だけ出してベッドの縁に寄ると、彼はこちらを見上げて、構って欲しそうに鳴いた。 ニャ、「お腹空いたの?」 ニャ、「お布団入りたいの?」 ニャ、 構 […]
2020年12月16日 / 最終更新日時 : 2020年12月15日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 大学生とラブレター 「動くな」 穏やかな昼下がり、大学ゼミ室で卒論の資料を検索していた俺の背中に、固いものが触れる。 振り返ることは、できない。この固さを俺は知っている。この――冷たい金属の感触を。「ゆっくり両手を挙げろ。いいか、変な気を起 […]
2020年12月15日 / 最終更新日時 : 2020年12月14日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 拝啓、明智殿へ 拝啓、明智殿へ 拝啓、十兵衛(光秀)へ。 お元気にされていますか、前右府(信長)です。私はいま三途の川のほとりに居ます。どうして私がこんな所にいるのかは、御存じかと思います。本能寺が囲まれた時は、てっきり息子(信忠 […]