2018年5月13日 / 最終更新日時 : 2018年5月12日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 海に臨む砂漠 世界には、海、という水を満々と湛えた場所があるという。 俺はそれを、通りすがりの旅人から聞いた。どこまでも続くような砂漠の中だった。海も、それが刻々と広がっているということも、想像もつかないような場所だ。 俺たちは […]
2018年5月12日 / 最終更新日時 : 2018年5月11日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 パトリツィアの場合 姉のパトリツィアが結婚した。 パトリツィアとパトリックは双子のきょうだいだ。同じ日に同じ母の腹から生まれ出でた。髪や瞳も色が同じで、ある程度成長するまでは身長にも差がなかった。しかも両親は悪魔の目を欺くためパトリック […]
2018年5月12日 / 最終更新日時 : 2018年5月11日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 雨の海 サークル名:42101(URL) 執筆者名:モリモト 一言アピール おセンチであかぬけない、青春のような一冊をつくっています。 テキストやビジュアルを組み合わせて、どうにか考えごとを表現しようとしています。 得意分野 […]
2018年5月11日 / 最終更新日時 : 2018年5月10日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 塩の湖うみ 塩の湖うみ 著 PAULA0125 イスラエル王国には、二つの湖うみがある。 一つはガリラヤ湖。イスラエル国の北、ガリラヤ地方にある小さな湖である。しかしこの「小さな」とは、あくまでももう一つの比較した場合の大きさで […]
2018年5月11日 / 最終更新日時 : 2018年5月10日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 夜海に響く祈りの歌 薄暗くすらあった森を抜けた高台で開けた視界に広がったのは、天そらに広がる澄んだ蒼穹とは違う、波立ちうねる群青だった。まっすぐ視線をやれば、その先に遮るものは何もない。 肌を撫でるぬるい風はこの晴天でも少し湿っていた。 […]
2018年5月11日 / 最終更新日時 : 2018年5月10日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 海の子霊 海辺の町で生まれ育った悠生にとって、夏と言えば海水浴の季節だ。学校から帰るとすぐに水着に着替えてそのまま浜辺へ出るのが日課で、夏休みともなれば日がな一日浜辺で過ごす事も珍しくない。しかしそれはお盆までの話。お盆の季節が […]
2018年5月10日 / 最終更新日時 : 2018年5月9日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 右の目の海 「この川は海に繋がっているんかねぇ?」 ずっと黙りこくって、左之吉に手を引かれるままに歩いていた老女がぽつりと呟く声が聞こえた。 左之吉は振り向いた。おえんという名の老女は、何か真剣そうな眼差しで三途の川の水面を見て […]
2018年5月10日 / 最終更新日時 : 2018年5月9日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 別れ 御台所みだいどころのもとへ、はやる心を抑えつつ歩むと打ち伏している女が進む先に見えた。日の出の時刻を過ぎているが空はどんよりと曇り、周囲はまだ暗い。起き上がる気配も無い女は、喪服である藤衣ふじごろもを纏っている。御台所 […]
2018年5月10日 / 最終更新日時 : 2018年5月9日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 君の匂い 俺は“静かの海”にあるコロニーで月移民の三世として生まれた。祖父母が最初の月移民で、両親が最初の月生まれだ。月で生まれ、月で暮らすことに特に不自由はない、と俺は思っている。天候はコロニーのシステムで管理されているので、 […]
2018年5月9日 / 最終更新日時 : 2018年5月9日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 海は本当にあるのだろうか 貴海は海を見たことがなかった。 自分と連れ添えであるファレンが暮らす彼岸と此岸のあいだには、二つを隔てる大きな河がある。だが、それ以上に大きな水溜まりを目にした記憶はどこにもない。 手の中に塩があるのだから海もある […]