2020年12月14日 / 最終更新日時 : 2020年12月14日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 彼女との日々、そして消息 正月明けに舞い込んだ、1枚の年賀状。 ありふれた写真付き結婚報告の裏面に、見覚えのある筆跡──丁寧な、けれどほんの少し丸っこい文字。『元気ですか』 その一言を書くのに、彼女は何を思っただろう。 少なくとも自分は、耳によ […]
2020年10月1日 / 最終更新日時 : 2020年10月1日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 mail and letter from そのメールが届いた時、柄にもなく浮かれた。できるだけ早足で歩きながら返信を打つ。『2限大丈夫。図書館の前に行くから』 送信完了とほぼ同時に、大学図書館に着いた。象徴的な時計台を真上に、出入口へ続く広い通路の端に立つ。 […]
2019年8月6日 / 最終更新日時 : 2019年8月6日 straycat 第9回Webアンソロ「imagine」 10 years gold 赤ん坊の泣き声が店内に響いた。 周りから集中する視線に「すみません」と、親友はひと通り頭を下げる。ごめんね、とこちらにまで言うので、七恵ななえは笑いながら手を振った。「いいよ、あたしが連れて来てって言ったんだし」 学生 […]
2019年2月8日 / 最終更新日時 : 2019年2月7日 straycat 第8回Webアンソロ「花」 祈りの花 よく晴れた夏のある日。 空は、濃く澄んだ青がどこまでも続き、ともすれば涙が出そうになるほど眩しい。 ──母は、こんな色の目をした人だったと、かつてロズリーから聞いた。陽の光に輝く金色の髪をしていた、とも。 「私は、 […]
2019年1月21日 / 最終更新日時 : 2019年1月30日 straycat 第8回Webアンソロ「花」 あの人へ花束を 朝夕の花壇の水やりは、園芸部員の日課だ。 わたし以外にも数人が在籍しているのだけど、家が遠いとか実質は帰宅部に近いとかで、特に早朝は出てこない部員が大半だった。 だから3年生が引退してからは、朝の水やりはほぼ、わた […]