2020年11月30日 / 最終更新日時 : 2020年11月29日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 オオルリと少年 大きなブナの木の枝に止まってうつらうつらとしていたわたしは、聞き慣れない人間の声で目を覚ましました。 声の方を見下ろすと、真新しい白い制服を着た男の子が二人、森の小径を歩いて来ます。大人と呼ぶにはあまりにもあどけない彼 […]
2020年10月20日 / 最終更新日時 : 2020年10月19日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 きみに届くその歌は ――まずい、間に合わない。 早く答えを写してノートを返さないと! しかし焦れば焦るほど、ペンを握る手は遅々として進まない。そのうちに騒がしかった講堂は波が引くように静まりはじめる。講義担当の主教が教壇に現れたのだ。 ― […]
2018年5月23日 / 最終更新日時 : 2018年5月21日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 なっちゃんとハワイアンブルーの野望 「天草の海は好かん」 車窓を流れる景色を眺めながら、なっちゃんが呟いた。 ハンドルを握っているので助手席に座る彼女の表情は分からなかったが、口調から察するに、ややご機嫌が斜めのようだ。 「好かんって、なんで」 「なん […]
2017年1月27日 / 最終更新日時 : 2017年1月25日 straycat 第5回Webアンソロ「嘘」 両手いっぱいのスイーツをきみに …… ………… …………疲れた。 人波の中、改札を出て、いつもの商店街を歩く。日はとっぷりと暮れ、背負っているリュックは重い。 帰宅した途端、号泣している綾から電話が入り、学校の最寄り駅までとんぼ返りした挙句、 […]
2016年2月24日 / 最終更新日時 : 2016年2月23日 straycat テキレボWebアンソロ 我輩はセンパイである 夕方五時のサイレンが鳴りひびき、風が冷たくなってきた。この間まではまだまだ明るかったはずなのに、早くも日が陰りはじめている。 一、二、三、四……、サッカーボールをリフティングしながらナオの帰りを待っていたけれど、トイ […]
2013年9月30日 / 最終更新日時 : 2016年2月5日 straycat Review a piacere a piacereのメンバーであるまりもさんの純文学作品『水底の部屋』と、同じくなのりさんのファンタジー作品『ランダルと妖精の森』を収録したアンソロジー。 恩人の訃報を知り、かつて住んでいたスコットランドを目指す万里 […]