竜の花嫁


竜の花嫁<アー・ジャ・ランタ・>。
竜に嫁ぎ、竜に喰われ、竜の怒りを鎮める者。

若い娘を竜に嫁がせ続けて数百年。
竜は守り神として山に縛られ、
娘らを喰らうかわりに、麓の村を守り続けていた。

最後に捧げられたのは、
村でもっとも嫌われていた娘。
野火のように激しく、荒々しく、彼女は村を憎んだ。

なぜ、自分が喰われねばならないのか。

問うた娘に竜は応えた。
「いいや私はもう人間は喰わない。
お前は村へ帰って良いのだ」

(裏表紙より転載)

続きを読む

旅人よ立ち止まれ


作者の風野湊さんが、世界一周の旅に出られ、その先々でしたためたエッセイや詩などの作品集です。半年間14か国の一人旅が繊細な筆致で描かれます。掲載国は、滞在順に、シンガポール→ベトナム→インド→トルコ→ギリシア→エジプト→イタリア→オーストリア→ポーランド→チェコ→ドイツ→イギリス→カナダ→ハワイ、です。
巻頭にはカラー写真、各章の扉にも美しい写真が載っています。

続きを読む