2017年9月19日 / 最終更新日時 : 2017年9月18日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 ある夏祭りの話 「暑……」 おばけ鬼灯を磨く手の甲に汗がぽたりと落ちたのを見て、手を止めた。 ふと、視線を上げた先は青空と強い日の光とそれに照らされて建物が濃く黒い影を落としていて、コントラストの強さが眼球に突き刺さって、痛い。 […]
2017年9月18日 / 最終更新日時 : 2017年9月17日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 彼らなりに祭の準備 A女子大の文化祭でミスターコンテストに出場することにしたから。 白鳥七生は、ある日恋人である朝雛雅人にそう告げられた。マジかよ、と思ったが確かに彼は文句のないイケメンであるので出場するのにふさわしい。かもしれない。な […]
2017年9月18日 / 最終更新日時 : 2017年9月17日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 臆病な脅迫者 「えっ、モニカさん出ないんですか?」 大声に耳を塞ぐ。昼前の食堂は生徒で賑わっており、注目を集めなかったのは幸いだった。 モニカが声のボリュームを咎める間もなく、向かいに座った後輩女子は身を乗り出してきた。サシャ、そ […]
2017年9月17日 / 最終更新日時 : 2017年9月17日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 雲の切れ間に 真っ赤な夕焼けに包まれた町を眺めている。岬の先の灯台も、思い出の残る駄菓子屋も、かつて通った小学校も、すべてが茜色にラッピングされたようで、その一つ一つが思い出せる。私はこの町に育った。私はこの町が好きだ。 そんな赤 […]
2017年9月17日 / 最終更新日時 : 2017年9月16日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 Color Girl – Fireworks 都市を外界から守る、巨大なドーム型のガラス天井。 夜空を透かすそこに大輪の花が咲いた。 爆発の火花を芸術的に再現した映像が空に投影されては残影を残して消えていく。それと合わせるように街のスピーカーからは腹に響くよう […]
2017年9月16日 / 最終更新日時 : 2017年9月15日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 授賞式という名のお祭り騒ぎ これは自分が作った同人誌を宣伝する際に、結構意地汚く自慢していることなんですが(何故ならそれくらいしか自慢できることが無いから)過去に私は、小説の「賞」というものを一度だけいただいたことがあります。 それは某新聞社が主催 […]
2017年9月16日 / 最終更新日時 : 2017年9月15日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 邂逅 『邂逅』 赤、青、緑、紺、紫、白、黄色、桃色、水色、橙色―――――。 色とりどりの浴衣の色は、夏祭りを思わせる。 飾られたかんざしや髪飾り、巾着袋も涼しさに彩りを添える。 この町では今年から成人式を冬から夏に切り替えた […]
2017年9月15日 / 最終更新日時 : 2017年9月14日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 イビサの泡パーティー 腋の下にはちいさないぼがあり、茶色くくすんで木の実に見えた。 「だから、きれいに剃っても意味ないの」 叔母はぼやいた。しかしあらかじめ不恰好なら気楽だと、ノースリーブを好んだ。毛はなかった。腕は白くなめらかだ。 い […]
2017年9月15日 / 最終更新日時 : 2017年9月14日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 蛇が身 蛇を連れて秋祭りに行った。そんなことを言ったら、両親はどんな顔をするだろうか。 そんなことを考える。 土曜日の夕方。 町の外れ、バイパスを横切って山に向かい、頂上のお寺に続く細い舗装道路を途中まで登り、銀杏の木の […]
2017年9月15日 / 最終更新日時 : 2017年9月14日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 締切日カーニバル最終日 次回タイトル 続・僕の頭痛の種 ・季節は秋 大学の学園祭 ・メインヒロインは黒崎美優。 彼女が演劇部の台本を頼まれる。 それに他の二人も乗っかってくる。 三人プラスαに振り回される僕 ○黒崎美優くろさきみゆ<学生・ […]