2020年11月5日 / 最終更新日時 : 2020年11月3日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 箋 ──うつくしい楼閣を築けるものは、それが砂のように崩れ果てるのを誰よりも恐れる。 「これは……」 定年退職の日、使い込んだ机の奥からひょっこり現れた一筆箋。それを手に取り、萩谷は深く、腹の底から溜息をついていた。四隅は […]
2020年11月5日 / 最終更新日時 : 2020年11月3日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 犯人は二人 「手紙を一通、取り戻して欲しい」 男は入ってくるなり、勧められもしないうちから、手前のソファに身を沈めた。 満潮音みしおね純はそれを咎めもせずに、「総務省政務官の、大野秀文様とお見受けしますが」「そうだ」「選挙の関係です […]
2020年11月4日 / 最終更新日時 : 2020年11月1日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 親愛なるあなたへ 爆発音とともに、天地が一転二転した。一瞬、天使が派手な後光とともにお迎えにでもきたのかと思ったが、先の閃光が網膜にちらついているだけのようだ。「っててて。派手にやってくれるな、ヤギどもめ……」ぼやきながらも、シートベルト […]
2020年11月4日 / 最終更新日時 : 2020年11月1日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 未来への遺書 「……はぁ? 遺書?」 アメリカで暮らし始めて早十ヶ月近くが経とうとしている。研修用のビザを使ってこっちへやって来て以来、慌ただしくホテル従業員としての経験を研鑽しつつ、へとへとになって帰って来るだけの暮らしを続ける僕に […]
2020年11月3日 / 最終更新日時 : 2020年11月1日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 拝啓、世界を壊したかもしれないあなたへ このお手紙を受け取られた先生は、いったい今何をしているのでしょうか?20年前、学内でも、また業界でも御高名だった先生のゼミへ入室した時からずっと先生をご尊敬申し上げておりました。 「あなた、手紙が来ておりますよ」「ん? […]
2020年11月3日 / 最終更新日時 : 2020年11月1日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 おしまいのあとで 薄暗くて埃っぽい小部屋だった。 どこを見ても本だらけ。そのくせ書棚には紙類がぐちゃぐちゃに詰まっている。 書き物机には齧りかけの林檎。食べてから腐ったのか、腐ったのを食べていたのかは定かでない。 この部屋の住人も孤独な […]
2020年11月3日 / 最終更新日時 : 2020年11月1日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 ゆめっせんじゃー 【ゆめっせんじゃー モニター用サンプル】 それは、きらきらした水晶のような形をしていた。 その輝きにどことなく胡散臭さを感じつつ、同梱されていた説明書を開いてみると、こんなことが書いてあった。 ☆「対象の人物が誰であるか […]
2020年11月2日 / 最終更新日時 : 2020年10月31日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 アサーラ・シフェンステス嬢への手紙 親愛なるアサーラへ この頃、夏の気配を感じるようになったよ。モレノはまだ春の名残の中、光る丘ではますます花が咲き誇っていることだろうね。ベドゥールナへ来てからもう三年。春は首都で過ごすから、モレノの春が懐かしいよ。 で […]