2020年11月2日 / 最終更新日時 : 2020年11月2日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 庭のリンゴが実る頃 手紙が届いたのは、秋のはじめのことだった。庭のリンゴが赤く色付き始めた頃だ。「珍しいですね」 配達員の青年は、そのリンゴの木を見上げて言った。「背の高い木は育たないといいますよね。こういう、小さな開拓星では」「そんなこ […]
2020年11月2日 / 最終更新日時 : 2020年11月1日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 決して滅びることのない愛 「ただいまー」 玄関のドアが開く音と同時に、レイさんの声がした。思っていたよりも早い彼の帰宅に、洗い物の手を止めてキッチンから出ると、丁度彼がリビングに入ってきたところだった。「おかえりなさい」「はい、これ」そう言って彼 […]
2020年11月1日 / 最終更新日時 : 2020年10月31日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 R列車で行こう ~ダイトーアの歌0.9話~ マサヒロを乗せた奥多摩発・快速列車「しばらく」が、都心へ向かって走る。外の景色はひなびた田舎の風景から次第に形を変え、頽廃的メトロポリスの様相を呈していった。 アジア一の隆盛を誇る国、ダイトーア。その中心的都市である東 […]
2020年11月1日 / 最終更新日時 : 2020年10月31日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 郵便屋の木霊 ある町の郵便屋には、精霊が住んでいました。 精霊は人間には見えない木の精霊で、ある日生まれ育った森を飛び出して、ふらりと町にやってきました。 どうして精霊は住み慣れた森を離れて、人間が住む町で暮らし始めたのでしょうか? […]
2020年11月1日 / 最終更新日時 : 2020年10月31日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 【ある演奏家の手紙】 これは貴方へ送る最初で最後の手紙です。 獣人は手紙を書く文化も無かったですし……(遠吠えが主な手段でした)――、貴方と出会って私はいつも近くに居ましたからねぇ。手紙って、遠くの人へ届けるものでしょう? だから、今日。貴 […]
2020年10月31日 / 最終更新日時 : 2020年10月29日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 落とし文 今朝起きたら、僕の世界から「虫」が消えてしまっていた。 その虫は、体は小豆くらいの大きさで、頸くびはきゅっと絞ったみたいにくびれて、錆びた血の滴のような赤い翅はねを持っている。 それは、ずっと僕の目の中に住んでいる、僕 […]
2020年10月31日 / 最終更新日時 : 2020年10月29日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 不在の探偵 これは手紙だ。あるいは依頼状であると言ってもいい。あなたは依頼状を手にした依頼人なのだ。そしてその紙は、手紙は次のような書き出しから始まっている。「たとえば、忘れられた町の忘れられた路地を進んだ先に、いかにも世の中から […]
2020年10月31日 / 最終更新日時 : 2020年10月29日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 First letter リボンやネックレスなどのアクセサリー。スカーフやハンカチといった、普段使いの小物。カトラリーや食器はシンプルなものから、デザイン性が高いものまで取り揃えられている。 店内に所狭しと並んだ棚と同様に、様々な雑貨が並べられ […]
2020年10月30日 / 最終更新日時 : 2020年10月29日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 江上に彼の人を憶う あの日から毎日、環かんは舟を出している。 江上に雪が舞う日も、雨が降る日も。 もう、彼の人が浮かび上がってくることはない――そうわかっていても。 命からがら乱を逃れて兄と祖父とともにこの地に辿り着いた環にとって、ここ […]
2020年10月30日 / 最終更新日時 : 2020年10月29日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 陽炎立つ日の手紙 昨日一日降り続いた雨が上がり、綺麗な晴天に恵まれたその日。モノクロに彩られた葬儀はしめやかに執り行われた。 大往生、と言われる年齢まで生きた彼女の遺影は、生前の印象をそのまま切り取った愛らしいものだった。 血の繋がりも […]