2020年12月20日 / 最終更新日時 : 2020年12月19日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 母からお母さんへの手紙 それを見付けたのは、入院していた母の荷物をまとめていた時だった。 眼鏡やイヤホンといった、病床で必要な細々とした物を入れていた引き出しに、それはあった。 病院に併設されている売店で買ってきたのだろう。白いシンプルな便箋 […]
2020年12月20日 / 最終更新日時 : 2020年12月19日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 うちの子カワイイ この街は、日々の生活をちょっとだけ手伝う事を目的としたロボットがいる街だ。 一日で終わる仕事もあれば数年かかる仕事もある。ロボット達は自分達が何体いるか、他のロボットはどういう仕事をしているか等、情報を共有する事はない […]
2020年12月20日 / 最終更新日時 : 2020年12月19日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 青インキの絵はがき ときどき開けてみるお菓子の缶のなかに學修がくしゅうさんからの絵はがき 學修というのは祖父で私が物心つく以前に脳溢血を患い右半身が動かなくなった左手で箸や万年筆を持つように訓練した祖父の字 いずみちゃん 2歳のお […]
2020年12月19日 / 最終更新日時 : 2020年12月18日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 コラム「送信元:名誉社員ヤギ」 こんにち、ほとんど全ての生き物がこうして読み、書くことができる。きっかけとなった書籍をご存知だろうか。「ヤギでもわかる! 鳴き声言語プログラミング入門」である。 この書籍は、あるロボットシュレッダーメーカーに勤めていた […]
2020年12月19日 / 最終更新日時 : 2020年12月18日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 BestFriend 窓を開けると、風が頬を優しく撫でていく。私は、あの人の温もりに包まれているようで、嬉しくなった。 【BestFriend】 私は、幼い頃から、どこにでもいる、平凡な子供だった。 父は、製造業に勤めるサラリーマンで、母は […]
2020年12月19日 / 最終更新日時 : 2020年12月18日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 ポルターガイスト お元気ですか。花束とお返事ありがとうございました。お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。なかなか書ききることができなかったのです。というのも知っての通り僕はどうしても昼間は疲れてしまいまして、夜の少しの間しか筆を進め […]
2020年12月18日 / 最終更新日時 : 2020年12月17日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 ドッグ・タグ〜戦場からのメッセージ〜 どこの国にも所属しない傭兵部隊。 通称、グレイブヤードと呼ばれるそこに集う者たちは、誰も彼もが過去の一切を捨て、ここにきている。 過去の栄光も、名誉も、思い出も。 全てを清算して。 入隊して最初に支給されるのは、入隊祝 […]
2020年12月18日 / 最終更新日時 : 2020年12月17日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 僕が姉上への文に紙を使わない理由 せせらぎが、山の空気が肌に耳に心地よい。滝に向かって歩むうちに、笑いさざめく声が聞こえて来た。あの声は妻だ。 沈みつつある日を感じながら、足を早めて滝に向かう。予想通り妻は氷高内親王の・・・・・・いや、天皇の傍らに居た […]