2017年1月28日 / 最終更新日時 : 2017年1月28日 straycat 第5回Webアンソロ「嘘」 東大ハムカツ男~実在の学校組織等とは一切関係ございません 青門をくぐれば人生が変わる。 それは東央大学を志望し血のにじむような勉学に励む受験生たちの、合言葉だ。 我が国が世界に誇る学問の府。文化財に指定された『青門』はじめ、歴史ある建造物が並ぶ学内。美しいイチョウ並木を、 […]
2017年1月28日 / 最終更新日時 : 2017年1月27日 straycat 第5回Webアンソロ「嘘」 女ともだち アヴェリー・ハーパーにとって、その日はついていない日だった。 彼女に声を掛けられるまでは。 出掛けにブーツの紐が切れてバスに乗り遅れた。予定の次の便では酒臭い中年男に絡まれ、結局、待ち合わせしていたカフェに到着した […]
2017年1月27日 / 最終更新日時 : 2017年1月27日 straycat 第5回Webアンソロ「嘘」 嘘細工 規則的な篩の音が薄暗い工房を満たしていた。夜明けに火を入れる窯は午後の程々で落としてしまい、今は作業台の上にランプが一つ灯るだけである。夜へ向けてはひたすら鉱石やガラスの屑、海岸の砂粒や道端の石ころだとかを洗い、破砕し […]
2017年1月27日 / 最終更新日時 : 2017年1月27日 straycat 第5回Webアンソロ「嘘」 雪解け、桜の舞う夜に 「……っざけんなよ」 腹の底から怒りを吐き出して、手元にあったグラスの水を男の顔面にぶちまける。 「ごめ、ごめんなさい……もうしないから! みゆちゃんが一番だから! 俺はみゆちゃんのこと愛してるから」 「どの口で言って […]
2017年1月27日 / 最終更新日時 : 2017年1月25日 straycat 第5回Webアンソロ「嘘」 両手いっぱいのスイーツをきみに …… ………… …………疲れた。 人波の中、改札を出て、いつもの商店街を歩く。日はとっぷりと暮れ、背負っているリュックは重い。 帰宅した途端、号泣している綾から電話が入り、学校の最寄り駅までとんぼ返りした挙句、 […]
2017年1月26日 / 最終更新日時 : 2017年1月25日 straycat 第5回Webアンソロ「嘘」 外伝・夢守人黒姫 嘘つきの味 あの子と私は、幼稚園からずっと同じ学校に通う幼馴染だ。 あの子はいつも笑顔で明るくて、みんなの人気者。私はまったくもって反対の存在で、周りはどうしてクズの私とあの子が友達なのかと、陰口を叩かれるのは日常茶飯事だった。 […]
2017年1月26日 / 最終更新日時 : 2017年1月25日 straycat 第5回Webアンソロ「嘘」 ねこのこ 会社の帰りにコンビニに寄って、弁当とお茶を買う。 夜道を歩いていると、「にっにっにっ」と小さな声がした。 歩道と車道を隔てる植え込みの中に、子猫がいた。生まれてからどれくらいだろうか。か細く「にっにっ」と鳴いて、見 […]
2017年1月26日 / 最終更新日時 : 2017年1月25日 straycat 第5回Webアンソロ「嘘」 クレイズモアの魔女と黒猫 暖炉の前に置かれた椅子に腰かけ、制服を身に着けた彼は時折、顎を指で摩りながら本を読んでいた。興味のある箇所を見つけると、指の動きが止まる。そして、読んでいた本から顔を上げることなく、手を持ち上げ横へとスライドさせた。指 […]
2017年1月25日 / 最終更新日時 : 2017年1月24日 straycat 第5回Webアンソロ「嘘」 お皿は何枚 一枚。二枚。三枚。四枚。五枚。六枚。七枚。八枚。九枚…… 嗚呼……一枚足りない! それは私が割ってしまった……旦那様が大切にしているお皿……。 一昨日、私が女中奉公をする秋山家の当主である秋山主馬様は、家宝の皿を […]
2017年1月25日 / 最終更新日時 : 2017年1月24日 straycat 第5回Webアンソロ「嘘」 ライライ・ロングバケーション 「んあ」 畳に寝転んで、宿題との激しい戦闘を繰り広げていたみかんの耳元で、けたたましく携帯が鳴った。当然だが宿題のほうがまだ圧倒的有利。それはさておいて、自分の携帯はまだ持たせて貰えそうにないみかんは、液晶画面に表示され […]