2019年2月14日 / 最終更新日時 : 2019年2月13日 straycat 第8回Webアンソロ「花」 花を殺して儲けた話 東はアルカタの果てにリライプという人型の花がある。人語を解し、声は美しい。二十一世紀末に、科学者が人間と花の遺伝子を混ぜて創り出した、「過ちの生命」の一つである。 現代、二十三世紀となって、アルカタ地方は自然保護地域 […]
2019年2月14日 / 最終更新日時 : 2019年2月13日 straycat 第8回Webアンソロ「花」 花ごよみ 肌寒き 春は名のみの チーバくん 足下に咲く 菜の花嬉し 蒲公英たんぽぽと 戲たはむれし日は 過ぎ去りて 今我が友は 背高コスモス 桃の花 惜しまれつゝも 散りぬれど 箱一杯の 實みをば結ばん サークル名:はなごよみ(U […]
2019年2月14日 / 最終更新日時 : 2019年2月13日 straycat 第8回Webアンソロ「花」 ~~じゃない まず、嫌でも目に飛び込んでくる鮮やかな緑色。朝露を飲み込み透明感をまとったような緑が見渡す限り広がっている。 しかし緑一色かと思えば、そうでもない。 見れば緑色の中にポツンポツンと白い色も見えていた。丸く毬のような […]
2019年2月13日 / 最終更新日時 : 2019年2月12日 straycat 第8回Webアンソロ「花」 それが飾りだったとしても それはまるで、何かのパフォーマンスのようだった。 彼女は、無表情のままそれを飾り立てていく。 私はただ、息を潜めて、その光景を見守っていた。 * 祖母はきれいな人だった。 芍薬や牡丹や百合の花よりは桔梗と言っ […]
2019年2月13日 / 最終更新日時 : 2019年2月12日 straycat 第8回Webアンソロ「花」 黎明のフローラリア ――その神殿は、鬱蒼とした森の奥に、ひっそりと佇んでいる。石とレンガを積み上げて作った神殿は、一面だけ壁が存在しない。代わりにむき出しの柱が何本か立っていて、まじないの文字が刻み込まれている。 まるで檻のようだな、と […]
2019年2月13日 / 最終更新日時 : 2019年2月12日 straycat 第8回Webアンソロ「花」 流れ星ハンターとアサガオ 北見ヘキラは変だと思う。変わってる。今までセツが出会った誰とも違う。たぶん、きっと、「普通」じゃない。 北見ヘキラは流れ星マテリアル公社に所属する流れ星ハンター。セツの幼なじみであるヒョウの流れ星を回収するために、去 […]
2019年2月13日 / 最終更新日時 : 2019年2月12日 straycat 第8回Webアンソロ「花」 つぎつぎツバキ紀行 気が付いたときには知らない場所に立っていた。 何十年も……下手をすると何百年もそのままだったのかもと思うような、暗く埃とかびの臭いがする廃墟で。 人間にしてはだいぶ変わった姿をした二人が、驚いた顔で私を見つめていた […]
2019年2月13日 / 最終更新日時 : 2019年2月12日 straycat 第8回Webアンソロ「花」 牡丹の戒め うららかな春の日、薛聡は鉢植えの牡丹を抱えて王の執務室を訪ねました。 「聡智(薛聡の字)か」 突然の訪問にも関わらず、王は嬉しそうに彼を迎えました。 「我が家で育てた牡丹が花を咲かせましたのでお持ちしました」 こう […]
2019年2月12日 / 最終更新日時 : 2019年2月12日 straycat 第8回Webアンソロ「花」 とある博士のブラックバラエティ ああ、いかにも。私がこの研究所の所長である新月だ。まあ、そんなに固くならなくても良い。まずはそちらへおかけくだされ。 我が研究所が何を研究しているか、だったな。ここは、ありとあらゆるものを「黒く」するための研究を行っ […]
2019年2月12日 / 最終更新日時 : 2019年2月11日 straycat 第8回Webアンソロ「花」 黄色い疵 「お疲れ様です」 あまりにだしぬけに声をかけられて、市谷いちがやはぴんと背筋が伸びるほど驚いた。 耳の真裏からかと思われるほど間近からの呼びかけだ。声こそあげなかったものの、びくついた拍子にそれまで片手で遊すさんでい […]