2019年8月8日 / 最終更新日時 : 2019年8月7日 straycat 第9回Webアンソロ「imagine」 「1999 ムーンライト・ロッカーズ」試読版 一九九九年 三月 残念でした。どうにも人類は滅びそうにありません。 ……と、いきなり言われても何のことか分からない人のために手短に説明しよう。二十世紀末ごろ、日本では「ノストラダムスの大予言」なるものが巷を賑わせていた […]
2019年8月7日 / 最終更新日時 : 2019年8月7日 straycat 第9回Webアンソロ「imagine」 私の鱗 左頬にできた吹き出物は、つぶれ方が悪かったのか、かさぶたを経てシミになってしまった。 鏡で確認すると、小指の先ほどの皮膚が茶色く変色している。 ある日、ふと触れたらするりと滑らかな感触がした。首を傾げつつ、もう一度指先 […]
2019年8月7日 / 最終更新日時 : 2019年8月7日 straycat 第9回Webアンソロ「imagine」 雪うさぎとレッドの大冒険 「例えばさ、ここでブルーがレッドを裏切っちゃうとか」 駅の近くの喫茶店で、彼は簡単に私の中で素直に、まっすぐ生きているキャラクターをなんの思いも理由もなく、ましてや伏線もない状態で裏切らせようと提案してきた。「でも、彼に […]
2019年8月6日 / 最終更新日時 : 2019年8月6日 straycat 第9回Webアンソロ「imagine」 メイガスとASMR 20xx Nyeon 8wol 9il / Suguk Schreiben 「人間に臓器を機械にされた哀れな改造人間ども。さぁ、元人間の私の実験台になるのだ」なんだかやけに高圧的なテレパスが届いたのは、前日、僕が部屋で […]
2019年8月6日 / 最終更新日時 : 2019年8月6日 straycat 第9回Webアンソロ「imagine」 10 years gold 赤ん坊の泣き声が店内に響いた。 周りから集中する視線に「すみません」と、親友はひと通り頭を下げる。ごめんね、とこちらにまで言うので、七恵ななえは笑いながら手を振った。「いいよ、あたしが連れて来てって言ったんだし」 学生 […]
2019年8月5日 / 最終更新日時 : 2019年8月4日 straycat 第9回Webアンソロ「imagine」 未来を想うために 無限に広がるような鮮やかな草原の上に、比喩でなく少女が浮いている。白衣をはためかせて、丸眼鏡を今直した……何故か三色に分けて染められたポニーテールに、それとは別の色で染められた前髪。ただものではない気配を放ちながら浮いて […]
2019年8月5日 / 最終更新日時 : 2019年8月4日 straycat 第9回Webアンソロ「imagine」 いつか海に出る 夏の夜明け前という時間に動詞を与えるのなら、「蟠《わだかま》る」というのがもっとも適切なのではないか、と煌木《きらぎ》は思う。夜という冷蔵庫でも冷やしきれなかった熱が、埃のように身体中にからまって、あたかも自分が、わた […]
2019年8月4日 / 最終更新日時 : 2019年8月3日 straycat 第9回Webアンソロ「imagine」 お願い、思い描いた未来を気軽に引き寄せさせて 「そこ行く高校生、良くない相が出ている。あたしが占いをしてしんぜよう」 下校途中、空き地の前で在り来りな占い師の格好をした女性に声をかけられた。小さな台にかけられた紫色の足隠しの後ろに座り、フードを被った怪しい出で立ちの […]
2019年8月4日 / 最終更新日時 : 2019年8月3日 straycat 第9回Webアンソロ「imagine」 予定調和バースデー 「やってしまった……」 手にしていた冊子をそっと閉じ、私は静かに机に突っ伏した。読んでしまった。 冊子の表紙には『トラクマ行進計画書』と記されている。なんだか楽しげな表題に興味を持ったのが運の尽き。そこに書いてあった内容 […]
2019年8月3日 / 最終更新日時 : 2019年8月2日 straycat 第9回Webアンソロ「imagine」 マスターのお嫁さん 「マスターさん、キレイなドレスがいっぱいありますよ」「そうだね。どれがルチカに似合うかな。ゆっくり見ていっていいよ」 今日はルチカと一緒に街のドレス専門店に来ている。というのも、他のみんなが街のパトロールや屋敷のことは自 […]