2016年9月3日 / 最終更新日時 : 2016年9月2日 straycat 第4回Webアンソロ「和」 鳥類戦隊バードマン~平和な日曜は決め台詞の日 「ははは!」 黒い雑魚そうな闘員を従えた、トカゲのような姿をした化け物が高笑いする。 「この東京マヨネーズ作戦で地球は我らアーキオプタリスクのものだ!」 「待てー!!」 「なんだ!!」 化け物が見た方向には、五人の人 […]
2016年9月2日 / 最終更新日時 : 2016年9月2日 straycat 第4回Webアンソロ「和」 神の山の巫女 10歳の凛子はいつもいつも、慢性的に退屈していた。 なぜならば、凛子は生まれてから一度も、山奥深くに建つこの社の外に出たことがなかったのだ。 凛子は生まれながらにして、山の神に仕える巫女であった。 ちょうど10年 […]
2016年9月2日 / 最終更新日時 : 2016年9月2日 straycat 第4回Webアンソロ「和」 水族館的サマーフェスタ 人魚がよく分からない服を着せられている。 リンジーの初見の印象は、全てがそこに収束した。 「……なんだそれ」 カラフルな柄の布だ。薄手の紺地の花柄で、コートと言うのが一番近いのだろうけど、コートと言うにはラフすぎるし、袖 […]
2016年9月2日 / 最終更新日時 : 2016年9月1日 straycat 第4回Webアンソロ「和」 繭姫 朝ぼらけに似た薄明るさにて、時を留めた賽さいの河原。雑花を手折り、あえかに詠う小姫があった。 「逢ふ瀬あらば」 声は漣。浅く遠く基から広がるうたは、やがて川音に溶け入って、たれぞに届く気配もない。 しんと水香の沁む […]
2016年9月2日 / 最終更新日時 : 2016年9月1日 straycat 第4回Webアンソロ「和」 約束のプレイボール 白球が打ち返される金属音と、それに伴う歓声。 ラジオから流れる高校野球の中継を聞きながら、俺は一人、昼飯を食っていた。 一人だけの食事はどうにも味気ないけど、妻が急に発熱した娘を医者に連れて行ってしまっているのだか […]
2016年9月1日 / 最終更新日時 : 2016年9月1日 straycat 第4回Webアンソロ「和」 甘いものが好き 「そういえば南雲なぐもさんは、和菓子はお嫌いなのですか?」 いつだって、待盾まちだて署刑事課神秘対策係は暇である。 かたかたとキーボードを叩き、盗犯係から回されてきた事務書類を猛スピードで片づけながら、八束結やつづか […]
2016年9月1日 / 最終更新日時 : 2016年9月1日 straycat 第4回Webアンソロ「和」 山吹の花 部屋に入ってきた男は、空になった茵を見て、内心で慌てた。 「山吹?」 それでも冷静に呼び掛ける声が、彼の性質を表している。程なくして、柔らかく応える女性の声が聞こえてきた。 「ここよ。花鳴かなり」 呼ばれた声に振り […]
2016年9月1日 / 最終更新日時 : 2016年9月1日 straycat 第4回Webアンソロ「和」 薔薇の和名 「君の名前は薔薇の和名なんだね」 昼休みに私の席を勝手に占領して、優雅に本を読んでいた彼女が小さくそう声を零した。 私は仕方がなく空いていた前の席の椅子を拝借して、彼女の方へ身をやや乗り出した。 彼女が読んでいたの […]
2016年9月1日 / 最終更新日時 : 2016年9月1日 straycat 第4回Webアンソロ「和」 アイスクリーム屋さんTE・ROLLのご主人のすること 「あ、プ○キュア!」 * 叫んだ男の子は誰だろう。調べに行かなくちゃ。 杜○町みたいな感じの町。暑い夏の盛り、太陽光に町が輝いて蝉が鳴いて青空に入道雲のかかって、いい風景画みたいな町。その町の一隅にひっそりある […]
2016年8月31日 / 最終更新日時 : 2016年8月31日 straycat 第4回Webアンソロ「和」 ココロ安らぐ場所 レオール王国の最南端に程近い場所に位置する小さな村クリプターナから、国のほぼ中央部にあたる首都リンドールまで向かうには、3時間程特急に揺られなければならない。その特急列車の中で、俺と親父は何も言葉を交わすことなく揺られ […]