2020年10月5日 / 最終更新日時 : 2020年10月4日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 いちばん綺麗な海 大切な人の言った重要な言葉が胸に残るのは当たり前だけど、割と関係の浅い人が言った言葉が妙に”刺さる”ときがある。あまり話したことのないクラスメイト、仕事で一度だけ会った人、病院の待合室で話した人、などなど。関係が浅いから […]
2020年10月5日 / 最終更新日時 : 2020年10月4日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 『隠者は払暁に眠る』序文 ターミ・ポアットによるまえがき 本書をお読みいただく前に、まず誤解のないように明記しておかねばならないことがある。 ソアント出版では、新人作家からの原稿は募集していない。持ち込みや郵送の類も一切受け付けていない。ましてや文学賞の類は主催していない。彼 […]
2020年10月4日 / 最終更新日時 : 2020年10月3日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 エテルンの手紙 ~天翔る羊さまと幸福な王女~ お父様におかれましては、ご機嫌うるわしくお過ごしでしょうか? わたくしがシェリープ王国に嫁いできて三ヶ月が過ぎました。こちらでの生活にはまだ慣れないことも多くありますが、輿入れについてきてくれた侍女のリーニもよく働き […]
2020年10月4日 / 最終更新日時 : 2020年10月3日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 親愛なる在校生の貴方へ この手紙を読んでいる、ということは、私はもう、そこにいないのでしょう。 よくこの手紙を見つけましたね。褒めようにも、私はそこにいないので、この手紙でのみ褒め言葉を残しましょう。 貴方には何かしらの才能がある。その才能を […]
2020年10月3日 / 最終更新日時 : 2020年10月3日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 カラカラと落雁の活字は鳴る ある日、縁遠くなったと思っていた友人から手紙が届いた。 封筒の中には、カラカラとした、小さな活字金型のような落雁とカードが入っていただけ。 友人が魔法菓子職人になったと聞いたのは、何年前だろうか。 「君に食べてもらいた […]
2020年10月3日 / 最終更新日時 : 2020年10月2日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 秘めた恋情をあなたに あなたが好きです。付き合ってほしいです。 出会ってからそこそこの年月が経ちますが、最近はあなたのことを考えることばかりです。 他愛のないやり取りをしているときは、とても楽しいです。ついつい笑顔になります。 元気のないと […]
2020年10月2日 / 最終更新日時 : 2020年10月1日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 書きたくない手紙を書く方法 ※本作品ではある方言に近い言葉を話すキャラクターが登場しますが、日本の地域とは何の関係もありません。登場する人物、名称等の設定はすべて架空であり、実在のものとは関係ありません。 「両親に感謝の手紙を書きましょう」 小学四 […]
2020年10月2日 / 最終更新日時 : 2020年10月4日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 薄明に繋がる想いを記す 俺は今、大変珍しい光景を見ている。警備団の先輩であるギルベールさんが、真剣な表情でペンを片手に白い紙と睨めっこしているのだ。 自分から進んでペンを持ちたがらず、報告書も適当に作って、ペンを持つ時間をいかに短くするかを心 […]
2020年10月1日 / 最終更新日時 : 2020年10月1日 anthology_ex2 EX2 Webアンソロ「手紙」 mail and letter from そのメールが届いた時、柄にもなく浮かれた。できるだけ早足で歩きながら返信を打つ。『2限大丈夫。図書館の前に行くから』 送信完了とほぼ同時に、大学図書館に着いた。象徴的な時計台を真上に、出入口へ続く広い通路の端に立つ。 […]