2017年8月20日 / 最終更新日時 : 2017年8月19日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 巫女の祭り トーマは村の中でも、大きな家に暮らしていた。 トーマの祖父が村で重要な地位についていたからだ。父と母はすでに他界している。女中たちや祖父の弟子たちが一緒に暮らしている大きな家だった。 下っ端のトーマの仕事は早朝から […]
2017年8月19日 / 最終更新日時 : 2017年8月18日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 氷室開きて、光さす。 言い始めの僕と広間で暇をもてあましていた元気な三振組さんにんぐみと、かれらに自室から引っぱり出された新顔の太刀。僕たち五振ごにんはゴム長靴に軍手、内番着の上から外套という、季節とちぐはぐな重装備で作業にいそしんでいた。 […]
2017年8月19日 / 最終更新日時 : 2017年8月21日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 花を抱えてそぞろ歩きもまた楽し 花を抱えてそぞろ歩きもまた楽し 雲ひとつない晴天の昼空は、美しい夜色の花火で彩られた。人々の喝采が街に響き、賑やかな三日間が幕を開ける。国を挙げてこの佳き日を祝う、建国祭の始まりである。 色とりどりの花が店頭に並び、 […]
2017年8月18日 / 最終更新日時 : 2017年8月17日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 手品師と人魚 白茶の方形石で組み上げられた防波堤が海に突き出ていた。海へと伸びる白茶の腕は二本。そのはじまるところに砂浜がある。白よりも灰色に近い砂で、その砂浜はできていた。砂浜の先には街があり、丘があり、丘の頂には教会が建っている […]
2017年8月18日 / 最終更新日時 : 2017年8月17日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 まつりのとき 自走車を駐車スペースに入れようとした瞬間、赤い屋根の下から飛び出してくる従妹の順に気付く。危ない! 運転席に座っていた尤理が叫ぶ前に、賢い自走車は順の数歩手前で何事も無く止まった。 「どうしたの?」 命令する前に開い […]
2017年8月18日 / 最終更新日時 : 2017年8月17日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 星に願いを からからと、色とりどりの風車が回る。笑い声を載せた風が、風車を回していた。この場所の活気が回転速度を上げているような気もするほどだ。太陽が地平の向こうへ消えて、空が夜を帯びてきたが、人々の熱気で肌寒さはいくぶん緩和され […]
2017年8月17日 / 最終更新日時 : 2017年8月16日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 遠い場所から 「見た? 今あっちの空が光ったよ!」 「見た見た! 行ってみよう」 私たちは、はしゃぎながら夜道を歩いた。 この季節は週末の夜が来るたびに、どこかしらで花火が上がっている音が聞こえてくる。今日は週末ではないけれど […]
2017年8月17日 / 最終更新日時 : 2017年8月16日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 浴衣と迷子と友だちと。 「ねーお兄。今度のお祭り行かない?」 ある秋の日のこと。年の離れた妹、明里が不意にそんなことを言い出した。 近所とはいえ、実家のある居住区から、僕のいる学生寮までやってきて。 明里はもう初等科の四年生。ぼちぼち最近 […]
2017年8月17日 / 最終更新日時 : 2017年8月16日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 精霊まつりと海の船 砂丘つらなる砂漠地帯 だれも、こんな奥地に国があるとは思わない しかし、よく目をこらしてみてほしい 砂丘に混じって、砂を固めたドームが点在する ドームの下には村があり 村と村をむすぶ地下水脈は、船でにぎわう これは幻の国 […]
2017年8月16日 / 最終更新日時 : 2017年8月15日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 窓の外には 「折角、祭りの準備……裏方やっておいて、自分は参加できないのか」 窓からやって来た金髪の美男は、憮然とした顔で言った。 「窓から出入りするの、やめろって言ってるだろ」 俺は、後ろを振り向きながら、ペンを片手に肩を竦め […]