2017年8月23日 / 最終更新日時 : 2017年8月22日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 彼女の笑った日 ぱぁん ぱぁぁん 音がする。何だろう……。 はっと、私は目を覚ました。 寝室のベッドの上で、スーツのまま転寝をしていた。頭の中に少し酒が残っているのが、自分でわかる。 窓のカーテンの隙間から、薄日が差す。時計は […]
2017年8月23日 / 最終更新日時 : 2017年8月22日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 バロン・ダンス あと少しで日が沈む。 祭が始まる。 アゼル・ベリアスは自身の長剣の柄を握りしめ、舞台となる石畳を見つめていた。 この島伝統の『バロン・ダンス』が始まる。 周囲を深い森が囲み、島民が集まる箇所だけ大きく開けていた […]
2017年8月23日 / 最終更新日時 : 2017年8月22日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 後の祭り 僕の通っている私立高校は、都内でも有数の超進学校で、普通科のほかに様々な学科が設置されている。幼稚園から大学院まであるが一貫校ではなく、節目の試験では落第する生徒も少なくない。元から優秀な生徒を篩にかけるのだから、進学 […]
2017年8月22日 / 最終更新日時 : 2017年8月21日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 同人ストレイドッグス~祭りとは祟りの予防策~ 「そういう予測可能な領域から逸脱するが故に、魔女は恐怖の対象となるのよ」 「まったくっ、美奈ちゃんにお菓子をあげすぎるからっ、あたしがこんな重たい目をっ」 いつもの粋な和服姿は崩れに崩れ、汚れきっている。 背負ったい […]
2017年8月22日 / 最終更新日時 : 2017年8月21日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 泣かない赤鬼 そのお祭りは、近所にある公園の一角でのんびりとした雰囲気で開かれていた。 公園の中心にあるステージをぐるりと囲むように出店が並んでおり、働いているのは鬼ばかり。お客も八割ぐらい鬼で、普段異種族ごった煮の学校に通う身と […]
2017年8月22日 / 最終更新日時 : 2017年8月21日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 就職戦線異形有リ かすれた祭囃子が背後に漂う。スピーカー越しの音頭は反響して不明瞭だが漁師の町なので下世話な歌詞なのは確かだ。 参道の脇の、細く暗い道をひたすら登る。『ついてこれたら』の意味が違うと気づきつつ、絶え間ない『ヒトでないモ […]
2017年8月21日 / 最終更新日時 : 2017年8月21日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 テレーゼの場合 鬱蒼と茂る森の中単騎駆け抜けていく。 馬の振動が体に堪える。手綱を握る無傷の左手まで麻痺してきた。意識は朦朧として視界は白くかすんでいるように感じた。 自分はいったいどうしてこんなところにいるのか。何をしたいのか。 […]
2017年8月21日 / 最終更新日時 : 2017年8月21日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 ぬばたま宝飾店とバルウォーク ぬ ば た ま 宝 飾 店 と バ ル ウ ォ ー ク 「へー、この辺でもバルウォークやるんですねー」 週末のばんごはんに入った行きつけの居酒屋でポスターを見かけた。バルウォーク。都会で流行っているらしいというく […]
2017年8月21日 / 最終更新日時 : 2017年8月20日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 対面 挨拶の口上を終えしばらくすると御簾みすが巻き上げられ、藤の襲かさねの色目がちらりと見えた。 袖から覗く指先に握られた扇が見え、思わず視線を下げる。晴れてはいるが、三月に入ったにしてはまだ風が少し冷たい。 微かに漂う袖 […]
2017年8月20日 / 最終更新日時 : 2017年8月19日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 バシア・バスイールは泳げない 弟のマリクは日本人の恋人に誘われて、近所の秋祭りに出かけていった。「バシアさんも行きませんか」と声をかけられたが、「二人でどうぞ、ごゆっくり」と送り出した。 窓を開けると、にぎやかなお囃子の音が聞こえてくる。マリクは […]