2017年8月8日 / 最終更新日時 : 2017年8月15日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 聖ヴァレンティヌス卿の祝祭 「ねえ、バレンタインってなんの日か知ってる?」 ぽろ、とぼくがかじりつこうとしていたサンドイッチから卵のかけらが落ちた。 このエロ研究員は何を言っているんだろうか。 「こほん……失礼ですが、吉川先生。女性であるあなた […]
2017年8月8日 / 最終更新日時 : 2017年8月15日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 融 裏門から通りまでは狭い石段で、左右は竹林だった。屋台の灯りもここまでは届かない。人のざわめきに代わって、さわさわと葉擦れが私たちを包み込む。 「真っ暗」 そう呟くと、彼がほおずきの籠を掲げた。朱色が辺りをほんのり照ら […]
2017年8月8日 / 最終更新日時 : 2017年8月15日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 小さな祝祭 記念日も 変わりない朝を連れてくる。 南東向きの部屋、 こぼれる朝日に まだ起きていない頭が 今日をはじめる。 ささやかなお祝いをしよう。 好きなものを食べて お気に入りの場所へ行って 深々と新しい空気を吸う。 地続きの […]
2017年8月7日 / 最終更新日時 : 2017年8月15日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 星祭 「《星祭》?」 チラシを片手に小首を傾げる銀髪の少女に、《鴎》のオルトは「ああ、そうか」と頬を掻いた。 「そういやお前、この街に来て一年も経ってないんだっけか」 「私をここに連れてきたのはオルトですよ。もう忘れてしまっ […]
2017年8月7日 / 最終更新日時 : 2017年8月15日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 デートプランはきみのもの 鮮やかな赤い大輪の咲いた、淡いブルーグリーンに白いストライプ地がかわいい浴衣を着て、盥の氷水に足を浸す。 「冷たっ」 慌てて足を引いた彼女は、へら、と照れ笑いをスタッフたちに向けた。髪を結うかんざしについた透かし細工 […]
2017年8月7日 / 最終更新日時 : 2017年8月15日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 ちっこいといっしょ!~夏祭り編~ 一人暮らしも四年目にさしかかった私の家に突如あらわれた謎の生命体。 三人……いや、三匹? いまいち数え方のわからないそいつは、私の膝下ぐらいの背丈で、例えるなら漫画やアニメのデフォルメキャラのような姿をしている。 […]
2017年8月6日 / 最終更新日時 : 2017年8月15日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 Bird a basket この世界には、火を掲げ、月を拝む聖夜と呼ばれる祭がある。王国の人々は一夜限りの祭に様々な期待と願いと希望を託す。夜に人々が集まり、広場に聖火を灯し、聖火を囲いながら祈りを捧げる。この火はやがて希望と願いを呑み込み、天へ […]
2017年8月6日 / 最終更新日時 : 2017年8月15日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 オープンエアー・スタンプラリー 「あの多くの犠牲を出した大厄祭から間も無く十年……。この地にて災いを振りまいた奴がついに彼の地より解き放たれる。我々は総力を結集し、立ち向かわねばならない」 刃衣良村長の言葉に、村民達は強く頷いた。決戦の日は、近い。 […]
2017年8月5日 / 最終更新日時 : 2017年8月15日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 本の祭典 「ぱぶりっしゅ……れぼりゅーしょん?」 「レボリューション『ズ』」 旧セァク皇国育ちだから、旧イシャナ王国でしか使われていなかった言葉が馴染まないのだろう。不思議そうに小首を傾げる妻エレの言葉に、インシオンは赤い瞳を細 […]
2017年8月5日 / 最終更新日時 : 2017年8月15日 straycat 第6回Webアンソロ「祭」 先のことは分からないけれど、今は今の約束をしよう カレンダーの日付を見て、飯塚双葉いいづかふたははうふふと笑った。その光景を見ていたコイルは、うんざりした様子で彼女から視線を外す。 彼女がこういう笑い方をした日に限って、彼にとって良いことなど一度もなかった。たいてい […]