2018年5月24日 / 最終更新日時 : 2018年5月23日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 セイレーン 望月が夜空に浮かんでいる。あたり一帯へとねばついた感触がし潮の匂いがする風が吹いた。 遠目から見てもわかるほどに海面は高かった。朱あけは波を警戒し海辺には近寄らず。ごつごつした岩肌を勢いよく蹴っては目的地へと進む。 (こ […]
2018年5月23日 / 最終更新日時 : 2018年5月23日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 春の海 刀剣乱舞 2次創作 ----------------- 春の海にまどろむ陽光が、時折ちかちかと目の奥を射した。砂に座り込んだまま長谷部国重はまぶしく目をすがめ、手をかざした。隣に座る光忠はさっきから一言も口をきかない。 […]
2018年5月23日 / 最終更新日時 : 2018年5月21日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 なっちゃんとハワイアンブルーの野望 「天草の海は好かん」 車窓を流れる景色を眺めながら、なっちゃんが呟いた。 ハンドルを握っているので助手席に座る彼女の表情は分からなかったが、口調から察するに、ややご機嫌が斜めのようだ。 「好かんって、なんで」 「なん […]
2018年5月23日 / 最終更新日時 : 2018年5月21日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 夏のあなたもいとおしい 久しぶりに帰省した町で、わたしは太陽の灼熱を駅舎のひさしの下で逃れながら兄を待っていた。 ぷくぷくと浮き出る汗をそのまま滴らせながら携帯の画面をじっと見ていると、クラクションが鳴る。顔を上げる。見慣れた白のミニバンが […]
2018年5月22日 / 最終更新日時 : 2018年5月21日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 海へ行く 山波が見える。手前にはダム。広大な湖水が広がっている。湖水の如く、という古い言葉で呼ばれた急峻な流れの川はそのダムの下流からも流れている。 「この先は行くの」 「いかないよ、ここでバーベキューして…夜はそうだな、尾瀬あた […]
2018年5月22日 / 最終更新日時 : 2018年5月21日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 古の港にて ドラグニア小大陸というところは、じつに魅力的だと思う。 ヨーロッパ、アジア、中央──それらすべての影響を受けるような場所にありながら独自の道を歩み続けてきたこの小大陸には、他にはない空気が流れている。 たとえば、信 […]
2018年5月22日 / 最終更新日時 : 2018年5月21日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 灰、鉛、鈍 片足もげたが、両足義足なので痛みはなかった。 右手にもげた右足を、左手に鈍色貝を盛った藤籠を。どちらもぶらりと揺らしながら、ボクは灰色の砂を一人飛び跳ね進む。 大人達は偉そうな顔をして、やりたくない事なら子どもにだ […]
2018年5月21日 / 最終更新日時 : 2018年5月21日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 サンダーレモンの魔法菓子 「ああ、もう、最悪」 愛知県の知多郡にある、とある海水浴場。 そこから少し離れたコンビニの店先。優香ゆうかは、飲み物を大量に入れた袋を手に、唸るような声でひとりごちた。 「なにが慰安イベントよ。騒ぎたい奴らだけが好き […]
2018年5月21日 / 最終更新日時 : 2018年5月21日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 邂逅の海 海はよく天国への入口と例えられる。 僕はそれをずっと信じていた。だから何度も海に行ってみたけど、君には逢えなかった。 君は数日前、僕の目の前から姿を消した。 それも突然に。 僕にとって千枚通しの針の先端を心臓に […]
2018年5月21日 / 最終更新日時 : 2018年5月20日 straycat 第7回Webアンソロ「海」 「翼交わして濡るる夜は」より、海の場面 「肉より甘いものが好きです。でも肉も嫌いじゃないですよ」 知らないおじさんと二人きりで焼肉を食べている。自分が置かれた奇妙な状況にまだ慣れない。この個室だけが現実世界を離れ、空中に浮かんでいるようだ。 「ああ、美味しか […]