2016年2月18日 / 最終更新日時 : 2016年2月18日 straycat テキレボWebアンソロ 冷たい雨が生温い 棘つきの荊鞭が空気を掻き切り、背中に鋭い爪を立てては切り裂いていく。鞭の尖った爪に一切の慈悲や容赦もなく、何の罪さえない咎人の背を穿ち、疾はしりつづけた。湿った地下牢獄に、鞭が肉を切り裂く乾いた音が響いては果てている。 […]
2016年2月17日 / 最終更新日時 : 2016年2月17日 straycat テキレボWebアンソロ 相思相愛 ある日、高校時代の同級生から電話が来た。 いわく、「猫を飼わない?」と言う事だった。何でも家の近所の公園に捨てられているのを拾ったらしい。ダンボールの中に居た4匹のうち3匹は貰われていったが、最後の1匹の引取先がなか […]
2016年2月17日 / 最終更新日時 : 2016年2月18日 straycat テキレボWebアンソロ 黒ねこのしっぽを切った話 黒ねこのしっぽを切ったら正面がどちらかわからなくなったのだ 黒ねこのしっぽを切ったらわからない番号ばかり電話が来るのだ 黒ねこのしっぽを切ったらEメールを送っても送っても戻ってく […]
2016年2月17日 / 最終更新日時 : 2016年2月17日 straycat テキレボWebアンソロ その男、猫好きにつき 和室に鎮座する炬燵から青年の上半身が突き出ていた。彼、水澤は常々「猫に嫌われたら生きて行けない」を主張してやまない男であり、その脳内には大学周辺の野良猫・家猫マップが作り込まれていると専らの噂である。 今、彼は手元に […]
2016年2月17日 / 最終更新日時 : 2016年2月17日 straycat テキレボWebアンソロ 【まお】 祖母の家の猫は、「マオ」という名前だった。マオマオ鳴くからマオ。普通猫はニャーって鳴くもんじゃないのと、当時小学生だった私は祖母に聞いたことがある。 マオは捨て猫で、私や祖母の前でもいつもきょどきょどしていた。だから […]
2016年2月17日 / 最終更新日時 : 2016年2月16日 straycat テキレボWebアンソロ 白猫魔法店 そのお店は、喧噪でにぎわう大通りから一本外れた、静かな路地の先にありました。 人通りなど無いに等しい、閑散とした細い道の行き止まり。注意していなければ見落としてしまいそうな、何の変哲もない古ぼけた木の扉。 よく目を […]
2016年2月16日 / 最終更新日時 : 2016年2月17日 straycat テキレボWebアンソロ 迷い猫の告白 アタシ、ただちょっとママを困らせたかっただけなの。こんなことになるなんて、思ってもいなかったのよ。 ママったらあの日、本当に酷かったの。久しぶりのお出かけ、アタシ楽しみにしてたのに行き先は病院だったのよ。 そう、病 […]
2016年2月16日 / 最終更新日時 : 2016年2月16日 straycat テキレボWebアンソロ 僕の守りたいもの 僕の名前はハル。フミという男に飼われていた猫だ。 毛並みは、オスだけど三毛猫で、結構珍しいみたい。 僕はマンションに住んでいる。十階に部屋があって、家からの眺めはいい。 そんな僕の環境を変える出来事があった。 勘のいい […]
2016年2月16日 / 最終更新日時 : 2016年2月16日 straycat テキレボWebアンソロ 笑う窓 その窓を通り過ぎてくれ 鍵をかけても駄目なんだ いつの間にかまた開いていて 風もないのに澄んでいる やわやわと君は近付いて 身を乗り出したりするだろう? 揺り籠を揺らす手は瞬いて 枝が 折れる 風もないのに だから猫よ […]
2016年2月16日 / 最終更新日時 : 2016年2月16日 straycat テキレボWebアンソロ 溝になく花 「俺はよぉ、初めてお前さんを見た時、“これが化猫遊女か!”って思ったんだ」 「何をいきなり言いしゃんすか……」 甚一郎かんいちろうは梅井花魁の膝枕を借りながら、脈絡もなく紡いだ。還暦の老体に酒の巡りは早く、ふわふわと湯 […]