2016年2月24日 / 最終更新日時 : 2016年2月23日 straycat テキレボWebアンソロ ありきたりな猫 あたしはありきたりなどこにでも居るふつーの猫。毛並みは真っ白で長いシッポが自慢。瞳は空のように綺麗だから、って下僕からは「ソラさん」と呼ばれているわ。下僕は二人。今はね。昔は下僕の家族ってのがいっぱい居たんだけど、みんな […]
2016年2月24日 / 最終更新日時 : 2016年2月23日 straycat テキレボWebアンソロ 猫を彫る 「朕の愛猫が閉じ込められてしもうた!」 文献には、大昔の大帝がそう叫んで岩を振り回したので、家臣たちは狂った大帝を大勢で押さえつけてやむなく切り殺した、とある。大帝の死後、国は自己崩壊を起こしてしまったのだそうだ。伝聞 […]
2016年2月24日 / 最終更新日時 : 2016年2月23日 straycat テキレボWebアンソロ 我輩はセンパイである 夕方五時のサイレンが鳴りひびき、風が冷たくなってきた。この間まではまだまだ明るかったはずなのに、早くも日が陰りはじめている。 一、二、三、四……、サッカーボールをリフティングしながらナオの帰りを待っていたけれど、トイ […]
2016年2月23日 / 最終更新日時 : 2016年2月22日 straycat テキレボWebアンソロ 猫マンのライジング ここは綾月町あやづきちょう。日常と非日常が交わる境界線にある町。 諸羽もろう博士はそう言っていた。 ワイにはなんのことかよくわからん。ただ、この町で生まれ、この町に暮らしている。 ワイは諸羽博士に造られたHOPE。 […]
2016年2月23日 / 最終更新日時 : 2016年2月22日 straycat テキレボWebアンソロ 日常回帰「猫の足音」 まだ死神が通常業務をこなしていた頃の話だ。 この時勢、煙草を喫のむのもいろいろと制約があった。 冥府の役人などは禁煙ファシストを自称し、死神の服に煙の臭いがついているだけで嫌味を言う。生憎、嫌味に傷つくような生物ら […]
2016年2月23日 / 最終更新日時 : 2016年2月22日 straycat テキレボWebアンソロ 神様 あなたは気づいていませんでしたが、あなたが生まれたとき、あなたにそっくりな子がそばにいたのです。小さいあなたはその子と一緒に遊んだり餌を取り合ったりしていたんですよ。でもその子はしばらくしたらいなくなってしまったの。で […]
2016年2月23日 / 最終更新日時 : 2016年2月22日 straycat テキレボWebアンソロ 飴と海鳴り その夏、湯田郡司ゆだぐんじを悩ませていたのは海鳴りの音だった。どおお、どおおという遠雷のような唸りがまとわりついて離れない。身体を内側から揺さぶられ、骨ごと震わされている気がして、頭痛がひどい。はじめは何の音だかわから […]
2016年2月23日 / 最終更新日時 : 2016年2月22日 straycat テキレボWebアンソロ 変人伯爵のこぼれ話 隆盛極めし市街から離れる事、数十㎞。 見渡す限り一軒の人家も無い、郊外と呼ぶにも辺鄙に過ぎる場所に、邸宅がございます。 いえ、初見の方は、ここを個人の邸宅とは思われない事でしょう。 低劣に模したりとは言え、中世の […]
2016年2月22日 / 最終更新日時 : 2016年2月22日 straycat テキレボWebアンソロ 丘の上のありす あたしは今、はじめて訪れる街にいる。 目の前には蜘蛛を模した大きなモニュメントと円錐状の高層ビル。隣には初対面の少女がひとり。人見知りで内気なあたしが、見知らぬ誰かと見知らぬ街に足を運ぶだなんて、普段であればするはず […]
2016年2月22日 / 最終更新日時 : 2016年2月22日 straycat テキレボWebアンソロ 猫だって恋をする 「トラ~!行ってくるよ~」 僕の頭をワシワシと撫でながら、目の前の彼女はそう言う。 「にゃあ」 いってらっしゃい。 言葉は違っても、彼女には通じてる。 僕はトラ。彼女はスズ。僕は猫。彼女は人間。だけど、僕らはとっ […]