ファントム・ペイン


ジェフリー=クロウズ・シリーズ第1巻
私立探偵「ジェフリー=クロウズ」が、様々な事件を、時にシリアスに、時にコミカルに解決していく、ハードボイルド風作品です。
シリーズ物の形式を取ってはいますが、一話完結スタイルなので、一冊だけででもお楽しみいただけると思います。
第1話ファントム・ペイン
 クロウズが引き受けた依頼、それは「マリア=アークライト」なる女性を捜し出して欲しい、と言うものだった。
 マリアを捜し出したクロウズは、彼女が「心」を持つアンドロイドである事を知り、彼女のささやかな願い「海を見たい」をかなえる為、行動を共にする。
 だが、マリアを狙う別の男達が現れて………
第2話ランニング・ホイール
 クロウズの下に、旧知の友人、リサ=イヴンハートが訪ねて来た。
 彼女の依頼とは、テロリスト、ベルナルド=モートンの捜索。
 一度はその依頼を突っぱねたクロウズだったが、リサの口からその理由を聞き、引き受ける事にする。
 リサがモートンを捜す理由、それは彼女の亡き夫と子供の、復讐だった…。 
第3話フリー・ハンド
 〈リッパー〉、それは市街を騒がせている、連続殺人犯に付けられたあだ名だった。
 アルフレッド=マコーウェル警部に依頼され、〈リッパー〉の捜査をする事となったクロウズ。
 やがて、捜査を進めていく内にクロウズは、事件が、そして何より〈リッパー〉が自らに深い関わりを持つ事を知る。
 果たして、〈リッパー〉とは?
第4話ヘヴンズ・ラダー
 最近、市街にはあるドラッグが流行していた。その名は「ヘヴンズ・ラダー」。
 母親がヘヴンズ・ラダーによって昏睡状態になってしまった少女、サラの依頼をクロウズは引き受ける。
 パパに会いたい、と言う小さな願いを。
 報酬は、コイン1枚、1クレジット。
(サイト煉瓦壁より転載)

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夜来香 中国短編小説集 一より「口琴」(2)


民国期の中国大陸。横暴極める日本人の振る舞いに憎悪の念を抱きつつも、北平(現・北京)で起こる激しい抗日運動の行く末に不安を感じた丁安遠は、その争いから身を遠ざけるようにして漢口へと移り住む。帽子屋の家に間借りした彼は、そこで毎朝、隣家から口琴(ハーモニカ)の奏でる音色を耳にするようになったが、しかし、その口琴の音色には、いつも曲の途中で演奏が終わってしまうという特徴があった。しかも、その口琴を奏でる者について、漢口の住民は誰もが無視を決め込んでいる。やがて安遠は、周りの住民から遠ざけられている口琴の主と接触する。その主は、上品な雰囲気をたたえた女性だった…。

※過去の感想はこちら
 夜来香 中国短編小説集一(1)

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あるアパートにて、


ある都内の古びた訳ありアパートに住む、住人たちの日常を切り取った小説アンソロジー。
住人の喜び、悲しみ、発見、愁い等が交錯するアパートで、
それぞれが関わり合い、また引きこもり、このアパートで生きていく。
さまざまな場で活躍する豪華作家が集結した、珠玉の小説十篇を収録。
住人たちの私生活を、ぜひ覗きにきてください。

(主宰ブログより引用)

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八奈結び商店街を歩いてみれば1,2


大阪の何処にでもある……あったはずのごくごく普通の商店街。
うどん屋の繁雄と和希、古本屋の千十世、妹の美也、歩くどじっ娘なずな、文房具屋の北村、商店街組合理事長壱之助。
騒がしく賑やかに冷やかし合い助け合い、日々過ぎていく商店街。
一巻では変質者。最新刊である二巻では万引き。
商店街を悩ませる数々の問題に立ち向かうのもまた、商店街の住人たち。

繁雄と和希の喧嘩が今日も響き渡り、なずなは何もないところで転び、千十世はその腹黒を遺憾なく発揮する。
何処にである、けれど、どこか引きつけられる日常が、ここにはある。

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双子の夜と魔女の生贄


 魔女の加護を受ける〈ネクタルの一族〉で生まれ育った双子は、〈大人〉になる前にどちらかが魔女の生贄に捧げられるさだめ。双子の妹・ユイは姉のために生贄になる覚悟を決めていた。しかし、流星群の夜に出会ったふしぎな旅人・ハヤに、ユイの心は揺さぶられ……。
 生贄として一族に囚われたハヤの真意とは? 双子は彼を助けることができるのか?
13歳の少女たちが紡ぐ、ひと夏の成長物語。
(サークルサイトより)

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楽園の子供たち


島には掟がある。

泉の水を飲んではならない。
島を出てはならない。
島民を除き島に立ち入ってはならない。
神の扉を潜ってはならない。
診察を受けなくてはならない。

七歳のフカミにとって、掟は絶対のものだった。

ホシンの省吾。
同じ年頃の少女、美空。

――二人に出会うまで。

【本誌 裏表紙より】

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猫と弁天/アヤメさま、宝船に乗る(5)


「はるか古来より大和の国を護りしは、民どもの祀る神仏なり。されど現
代、民どもの心、神仏より離れ、新しき神の生まれることなし…」
東京弁天シリーズは、そんな世界で、ようやくお生まれになった「平成の
弁才天」、アヤメさまの成長物語です。
室町時代や江戸時代生まれの先輩方に厳しく指導され、時には笑い、時に
は泣きながら、それでも前を向いて進んでいく、これは我々自身の物語で
もあります。
ヒロイン☆ふぇすた!サイトより)

※過去の感想はこちら
 ・猫と弁天/アヤメさま、宝船に乗る(1)
 ・猫と弁天/アヤメさま、宝船に乗る(2)
 ・猫と弁天/アヤメさま、宝船に乗る(3)
 ・猫と弁天/アヤメさま、宝船に乗る(4)

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anim-I-nimus(アニマアニムス1)


収録作品1「向日葵は太陽よりも美しい」
 白いレースのカーテンが舞い、私は「彼女」と出会った。
 夏空の下、愛を探す旅は「彼女」を探す旅に、やがて母を探す旅へと繋がっていく。

収録作品2「まだ空を見られない」
 夜空を見るのが怖かった。その理由はただ一つ。深い夜の色は、死の色に似ているからーー
 ねえ、今、あたしの未来が見える?

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世界再生の書物と一つの楽園(2)


西暦3300年、物的資源問題を解決した人類は、自らの量子化を済ませており、優雅で怠惰な、種としての余生を過ごすのみとなっていた。荒廃した地球を見捨て、雲上都市へと逃げ去った人々は、しかし、孤独に苛まれ、地球全土を網羅する過去の遺産たるネットワーク上に、六つの学園からなる一つの楽園を構築した。これをRe:Worldと呼ぶ。仮想空間上の学園に転校してくる自身の情報を伏せた天界人の中に、記憶を持たない少年が現れたとき物語は始まる。くしくも眺望を司る華久楽大付属雅高等学校では、一年次の代表によるクラス対抗レクリエーションが始まろうとしているところだった。
(作品カバーより)

※過去の感想はこちら
 ・世界再生の書物と一つの楽園(1)

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