「背中合わせ」をテーマとした、十六人の作家によるアンソロジー。
タグ別アーカイブ: 青波零也
迷宮百貨店にて
日々姿を変える不思議な店を舞台にした、ちょっとした冒険と若い恋路の物語。
夜の迷宮に迷い込んだ少女と、その手を取った男に纏わるほっこりファンタジーです。
(創作文芸見本誌会場HappyReadingより転載)
鉱石展示室(3)
《きらきら あります》
琥珀糖専門店ジオードの扉にそう書かれた黒板がかかっていれば営業中。
一風変った琥珀糖を作る琥太郎の店には、
ニ風も三風も変った客が今日も訪れる。
地学マニアに、シャイな女子高生、恋するご隠居…
琥太郎とジオードに来店する客のささやかで温かな交流を描く短編集。
(サイトより転載)
プラネット・カラーズ 1
大地はいつしか穏やかに冷え、命は全て静かに腐り落ちようとしていた。
幾億の命を抱えて、惑星は死に誘われる。
それは神々の定めた、避けられぬ摂理であったはずだ。
――でもここに、逆らう神がひとりいる。
遠い約束を守るため、愛した大地を守るため。
神々の見捨てた地でその翼をはためかせ、惑星を救おうとする神がいる。
指揮杖は振られ、旗は掲げられ、行進は始まった。
(サークルブログより転載)
センシティブ・ブルー
わかちゃんの背には、みどりの翅が生えている。
――大人たちの振りかざす青い硝子片、ひらりはらりと舞う
金色の鱗粉。わたしの肩のうえにいる、あおむし。
これは、わかちゃんとわたしの、ひとときのはなし。
(サークルサイトより転載)
EDまで病むんじゃない2
期末試験直前、愛の逃避行を遂げ失踪した前担任に変わり、主人公の根岸たちのクラスに美貌の女教師がやってきた。
ある日、その女教師から根岸にゲームのアドバイザーをして欲しいという依頼がくるが・・・。
(創作文芸見本誌会場 Happy Readingより転載)
世界再生の書物と一つの楽園(1)
西暦3300年、物的資源問題を解決した人類は、自らの量子化を済ませており、
優雅で怠惰な、種としての余生を過ごすのみとなっていた。
荒廃した地球を見捨て、雲上都市へと逃げ去った人々は、
しかし、孤独に苛まれ、地球全土を網羅する過去の遺産たるネットワーク上に、
六つの学園からなる一つの楽園を構築した。
これをRe:Worldと呼ぶ。
仮想空間上の学園に転校してくる自身の情報を伏せた天界人の中に、
記憶を持たない少年が現れたとき物語は始まる。
くしくも眺望を司る華久楽大付属雅高等学校では、
一年次の代表によるクラス対抗レクリエーションが始まろうとしているところだった。
(サークルサイトより転載)
双子の夜と魔女の生贄
魔女の加護を受ける〈ネクタルの一族〉で生まれ育った双子は、〈大人〉になる前にどちらかが魔女の生贄に捧げられるさだめ。双子の妹・ユイは姉のために生贄になる覚悟を決めていた。しかし、流星群の夜に出会ったふしぎな旅人・ハヤが、ユイの心を変えていく……。双子の一族に囚われたハヤの真意とは?
13歳の少女たちが紡ぐ、ひと夏の成長物語。
(サークルサイトより転載)
猟犬の残効
2022年、ニューヨーク。フリージャーナリストのダイアン・デイが元夫・ギルバートとともにとある集団失踪事件に遭遇する。
一切が不明のなか、ダイアン、ギルバート、養女・ジャンナの過去が浮き彫りになり、錯綜する事件は三人の手を離れて行ってしまう……
(サークルサイトより転載)
セフトバンク・ダディ(1)
「たけまる信金、メガバンクモードへシフト!
お客様の強行突入に対し、対地対空迎撃戦を展開します!」
金融機関からの現金強奪が合法化した、いつかの未来。
武装し要塞化した銀行及び信用金庫『メガバンク』は、
日夜強盗企業との激しい攻防を繰り広げていた。
窓口係兼第三砲撃手、上武凛子の勤めるたけまる信用金庫に、
大手銀行をいくつも破ってきたという新進気鋭の強盗企業『白糸家』が襲い掛かる。
銀の翼で空を飛び、弾幕を潜って現れたその敵は、人語を解する白い柴犬だった。
これは、この世で最も強き父親たちが贈る、ハートフル・バトル・ホームコメディである。
(サークルサイトより)