文芸コンピレーション『input selector』


 サークル「空想少年はテキストデータの夢を見るか?」主催のアンソロジー。サークル主宰の添嶋譲氏がリスペクトするアマチュア作家たちを迎え、それぞれに「もっとも得意な技」をオファーして編まれた作品集である。まるでお気に入りの曲をカセットテープに編集したり、プレイリストに並べたりするような、そんな心地から、「文芸アンソロジー」ではなく、「文芸コンピレーション」という副題を掲げている。
 twitter小説、詩、短編小説など、完成度の高い様々な作品を掲載している。
 目次は以下の通り。

寝物語 layback
いめのさと くまっこ
今度の終末は一人です 城島はむ
/いいえ、世界です。 伊藤なむあひ
エソラゴト 七歩(文)・カナ(イラスト)
ワールドエンド・ショッピングモール 添嶋 譲
一人で食べない 伊藤佑弥
summer slope なかば
夜の養殖 雪月
純粋 いでゆのまち
生命のガソリン 相沢ナナコ
白雪とともに、彼は 霜月みつか

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Apology Documents/c


 百物語を彷彿とさせる怪談短編集。小雨の降る夜、教室に集まった「僕ら」は、一人ずつ順番に自分の恐怖体験を語り始める。
 収録作は「プロローグ」 ( 著:境桂馬)「背高の木」 (著:境桂馬 原案:境の米問屋)「書き取り練習してはいけない漢字」(著:武田山木下)「枯れ葉の音」(著:境桂馬)「地下鉄の向こう側」(著:武田山木下)「カセットの声」(著:武田山木下) 「雨蛙」(著:境の米問屋)「傘宿り」(著:境桂馬 原案:境の米問屋)「怪談八席」(著:境桂馬)の9作品。

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眠れない夜のために


「眠れない夜にする、空想妄想ひとり遊び」をテーマにした掌編小説集。但し、内容は詩集に近い。作者本人の撮影による写真も併せて収録。「第一章 さよならをおしえて」「第二章 シークレット・シークレット」「第三章 スターゲイザー」「第四章 あなたの存在」から成る。

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スモールトリップ/ビリケン白昼夢


 日常からふとしたきっかけで不思議な世界に迷い込む、生年たちの小さな冒険を描く短編集。
 人に見られたくないと思っている主人公「ぼく」が、不思議な世界に迷い込むkiddさんの「スモール・トリップ」、ビリケンさんに会いに行った男子高校生二人の、道頓堀の不思議な冒険を描いた水城麻衣さんの「ビリケン白昼夢」の二編を収録。

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a piacere


 a piacereのメンバーであるまりもさんの純文学作品『水底の部屋』と、同じくなのりさんのファンタジー作品『ランダルと妖精の森』を収録したアンソロジー。
 恩人の訃報を知り、かつて住んでいたスコットランドを目指す万里子。若き日の心の旅路を描く。(『水底の部屋』)
 自分を妖精だと名乗る不思議な少女と出会った騎士ランダル。やがて二人は恋に落ちるが、それは若者たちの悲恋の始まりだった。アイリッシュ・オールド・バラッドを原作にする御伽話。(『ランダルと妖精の森』

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Anthology01


「赤い格子」というキーワードを共通点に、「イツカノソラ」のナナツさんと「リリェッロの森」の市川イチさんが、それぞれ短編を寄せた合同誌。
ヨーロッパの某国(東ヨーロッパあたりだろうか?)を舞台に、戦火の中を生きた棺職人とその家族を描いた『弔う人』、画家「ソレイユ」とそのモデルになった「先生」の交流を描いた『形骸の肖像』を収録。

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