幽人、籠枕を好み


内と外。境界の向こうで微笑む彼が、私を待つ──
古書店を営む『私』は常連客の『先生』に手を引かれ、今日も不思議に触れていく。哀しき魚たちの魂に触れる『魚の話』、不可解な人間の心に触れる『幽霊の話』、そこに映るものについて頭を悩ませる『映るものの話』。
サークル・梟流がお送りする夏の青春怪談短編集。
(裏表紙あらすじより抜粋)

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繭のみる夢


“ひと”と“ひとならぬもの”の関わりを主軸とする、2001年~2005年に発表した短編・掌編6編を収録。完売誌だが、収録作のうち「吠えるひと」「姉、来たる」「宴のあと」は、2013年現在サイトにて公開。

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Apology Documents/c


 百物語を彷彿とさせる怪談短編集。小雨の降る夜、教室に集まった「僕ら」は、一人ずつ順番に自分の恐怖体験を語り始める。
 収録作は「プロローグ」 ( 著:境桂馬)「背高の木」 (著:境桂馬 原案:境の米問屋)「書き取り練習してはいけない漢字」(著:武田山木下)「枯れ葉の音」(著:境桂馬)「地下鉄の向こう側」(著:武田山木下)「カセットの声」(著:武田山木下) 「雨蛙」(著:境の米問屋)「傘宿り」(著:境桂馬 原案:境の米問屋)「怪談八席」(著:境桂馬)の9作品。

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青墓


 嵯峨・清涼寺の僧である光陰は、知人の供養のために美濃国野間庄内海を目指して中山道を旅していた。しかし、老曾の森を越えたところで夜になり、その日の宿に困っていると、そこに不思議な女性が現れる。
 その女性は盲目であった。琵琶をかき抱き、白い小袖をかぶり、童女に荷車を牽かせて夜道を行く、その奇妙な風体に光陰は恐れを抱くが、彼女は宿のない光陰を哀れに思い、光陰を青墓の遊女宿・万屋へと案内する。
 この万屋こそ、青墓宿一の遊女宿であり、この盲目の美女こそ海道一の遊女と称される万屋抱えの遊女・獅子吼御前だった。  光陰はその晩を万屋で明かすことになるが、深夜も過ぎると夢うつつのあいまに次々と怪異に見舞われる。暗い廊下を行き交う武者の影や、馬の嘶きに光陰は翻弄され、ついには何者かに矢をいかけられて九死に一生を得る。
 光陰は、謎の美女・獅子吼御前の正体を明かそうとするが、しかし、その獅子吼の手によって思いがけない真実が明かされる。光陰が何故この青墓という土地に導かれたのか――、中世の因果が描かれる。
(文学フリマウィキより引用)

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蛇行する意識のほとりで君と那由多の夢を見る


 戦前と思われる日本を舞台にした怪奇・伝奇の掌編集。六人の「私」が語り手となり、六編のそれぞれの奇怪な出来事を描いていく。収録作は「白との邂逅」「文子」「繭還り」「花の女」「嘘爛漫」「黒との邂逅」

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真琴さんの引っ越し


 売れない漫画家の父を持ち、貧乏が祟って母を亡くした女子高生の真琴さん。
理不尽さを噛み殺しながら、生計の為にアルバイト漬けの日々を送っている。

 ある時、幸せを運んでくれると自称する、座敷わらしの太郎丸と出会う。
彼の住まう家に引っ越せば、たちまち幸せが訪れるというが、果たして……。

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金蚕


世界を呪う男、金蚕。満ちる悪意、哂う悪意。呪術師たちの織り成す絢爛豪華な綾。加速度的に破滅に向かう世界と、世界を呪う金蚕。
物語の一本骨子はあるものの直接語られず、周辺の沢山の欠片を寄せ集めるようにして構築されていく群像劇に呪術系アクションのエンタメ性をぶちこんだ特濃伝奇。
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